クリティカルシンキングの意味とは|具体例とトレーニング方法

こんにちは!キャリアコンサルタントの金子めぐみです。

 

今回は、クリティカルシンキングについてのお話です。

あなたは「クリティカルシンキング」という言葉を知っていましたか?

わたしはつい最近、初めて目にしました・笑

 

どういうことなのかを知りたくて、できるだけ面白そうな本を選んで学びました。

 

そして、

これは女性にとってものすごく欠けている思考方法だ!!

と感じたのでご紹介することにします。

 

↑↑↑これには、わたしの「思考の癖(バイアス)」が出ています。

だって、「女性にとって」と言ってしまうとひとくくりにしすぎですよね。

本当は男女は関係なく「わたしのように単純に思考するタイプの人にとって」ということです。

↑↑↑この考え方がクリティカルシンキングです^^

 

クリティカルシンキングの意味やトレーニング方法はこのあとご紹介していきますが、この考え方のスキルを身につけることは、あなたにとってこの先の人生が大きく変わるくらいのメリットがあると思いますよ。

 

無駄な出費もストレスも減るはずですし、人間関係のトラブルも確実に減ります!

それから、好きなことを仕事にするというときには自分が判断しないといけないことがたくさんありますから、その際に騙されたり間違えたりしにくくなります

わたしもあと10年、いや20年早くクリティカルシンキングができるようになっていたらどれだけ良かっただろう…と、しみじみクリティカルシンキングができていなかった自分を振り返ってしまいました・笑

少々長い記事になりましたが、女性も、そして初めてクリティカルシンキングに触れる男性が読んでも楽しく理解できると思うので、男性もどうぞゆっくりしていってくださいね。

 

さあそれでは、クリティカルシンキングができる女性になれる世界へまいりましょう!

 

1. クリティカルシンキングとは

1-1. 批判という意味合いではありません

クリティカルシンキングは「批判的思考」と訳されることもあるようですが、決して「批判的にものごとを考える」という意味ではありません

 

クリティカルシンキングは、目の前の事象に対して客観的な視点で疑問を持って考察することです。

そして、目的のために最適な答えをみつけることです。

う~ん、難しいですねえ(そうでもないですか?)。

 

わたしなりに簡単に言いますと、

情報を鵜呑みにしない

ということです!

 

鵜呑みにしてますよね~、女性って(わたしのバイアスでは!)。

 

テレビ番組で「この食材が身体にいい」「この食材は痩せる効果がある」なんて取り上げられると、スーパーマーケットでのその食材の売れ行きが違うらしいですから。

 

ずいぶん前に話題になった「脳内革命」という、医師の書いた本があります。

 

その中で、

日本人とアメリカ人のハーフとして生まれたアメリカのある子どもは異常に知能指数の高い天才児だ。彼は幼いころから毎日納豆を欠かさず食べるのが習慣で、科学者である彼の両親も毎日欠かさず納豆を食べている。

というような内容が書かれていたそうです。

これを読んだら、小さなお子さんがいるママさんなら納豆を毎日食べさせてみようと思うかもしれませんね。

しかし、ここでわたしたちがクリティカルシンキングできるようになると

 

・納豆を毎日食べることと天才児になることに相関性はあるのか?

・この話が本当だという根拠はあるのか?

 

というような面に目が向くようになります。

 

・納豆を毎日食べることと天才児になることに相関性はあるのか?

この子どもが納豆を毎日食べていなくても天才児だったかもしれないとは考えられないか(両親は科学者)?

納豆を毎日食べている子どもの方がそうでない子どもより知能が高くなるという調査結果はあるのか?

というようなことに目を向けると、「納豆=天才児」ということを鵜呑みにしなくなりますね。

また、アメリカの例として出していることもポイントです。

日本人だったら、毎日納豆を食べる人はけっこういるはず。だとしたら、天才児が納豆を食べていてもそれほどインパクトのある話とは思えないはずなのです。

 

・この話が本当だという根拠はあるのか?

「医師が書いている」本だからといって、内容がすべて科学的根拠に基づいたものであるとは言い切れませんよね。

実際に「脳内革命」は根拠のないトンデモ本だと話題になったり、「医者から見た脳内革命の嘘」という本が出版されたりしました。

さらにいえば、本当にこの天才児は存在するのか、ということも疑えます。

 

「医師がそう言っているから(正しいはず)」「納豆は身体に良いから(脳にも良い)」

というような「思い込み(バイアス)」がわたしたちにはあるようです。

 

1-2. ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いを見ていきましょう。

 

ロジカルシンキングは、事象を論理的に捉えることです。

手法には「ピラミッド構造」「MECE」などのフレームワークがあります。

(ロジカルシンキングについてはまた別の記事で書きますね!)

 

クリティカルシンキングをするために、論理的に分析するロジカルシンキングは必要です。

そして、その上で「客観的な視点」でモノを見るというクリティカルシンキングができれば目的に沿って正しく判断できるということです。

 

先ほどの例でいうと、

・納豆を毎日食べることと知能指数が高くなることに相関性があるのか

をロジカルシンキングで分析していき、その結果をふまえて

・何か思い込みや思い込まされていること(バイアス)はないか

を考えていくことで、より正しい真実の情報を得ることができるのですね。

 

1-3. ビジネスに必要な3つの思考方法

ビジネスに必要な3つの思考方法として

 

・ロジカルシンキング

・クリティカルシンキング

・ラテラルシンキング(クリエイティブシンキング)

 

があります。

 

ラテラルシンキングは「水平思考」と和訳され、「垂直思考」ともいえるロジカルシンキングと対照的な思考方法です。

思い込みや制限をはずしていき、自由に発想していくのがラテラルシンキングです。

 

有名な例題として「オレンジの分け方」があります。

 

「13個のオレンジを3人の子どもに公平に分けるにはどうしたらいいか?」

 

どうしたらいいと思いますか?

ちょっと考えてみてくださいね^^

 

・4個ずつ配り残りの1個を3等分して分ける

 

これがいちばん多い答えではないかなと思います。

もうちょっと細かい人なら

 

・4個ずつ配ってそれぞれの重量を量り、残りの1個は3人の重量がそれぞれ同じになるように切り分ける

 

と言うでしょうか(わたしはおうし座O型なので思いつきもしませんでした・笑)

 

これをラテラルシンキングで考えると

・すべてを絞ってオレンジジュースにしてから分ける

・4個ずつ配って残り1個の種をまいておき、収穫出来たらまた分ける

といった答えも出てくるのです。

 

あなたならもっと頭を柔らかくして、これ以外にも楽しい分け方を思いつくかもしれませんね!

 

ビジネスに必要な3つの思考方法の関係性をまとめると、

 

ロジカルシンキングとラテラルシンキングはお互いを補い合っていて、

その二つを使って導き出した答えの精度を増すのがクリティカルシンキング

 

ということになります。

 

2. クリティカルシンキングのメリット

2-1. 目的に対する最適な答えがみつかる

クリティカルシンキングができるようになると、目的に対する最適な答えをみつけられるようになります

 

ビジネスの場合だけでなく、わたしたちが何かを判断する場面は多いですよね。

小さな事ならば「考える」ということすら意識せずに判断しているかもしれません。

 

判断するときにはそれぞれに「目的」があります。

それを意識できるようになることもクリティカルシンキングを身につけるメリットでもあります。

 

たとえば、スポーツジムに入会するかどうか検討しているとしましょう。

 

その目的はもちろん、運動をするためですよね。

では、なぜ運動したいのか、どのくらい(頻度や期間)したいのか、どんな制限があるのかなどを考えていきます。

 

目的がダイエットなのか健康維持なのかによって選ぶジムも違うでしょうし、短期間で成果を出してやめるのか、長く続けたいのかによっても選ぶジムは違いますよね。

また、支払うことのできる料金や自分がしたい運動はどんな種類のものなのかといった制限もあります。

 

こうした目的をハッキリさせておかないと、

・キャンペーン中で入会金がかからないから

・友達に誘われたから

など目的とは関係ない理由でジムを選んでしまうことになり、本来の目的に適わないジムを選んでしまうことになりかねません。

 

これまでお話したように、わたしたちには「先入観」「思い込み」「既成概念」「固定観念」というような「バイアス」があります

 

・医師がたくさん出演しているテレビ番組中で医師が言っていたのだから信頼できるはず

・美人女優さんがつかっているのだから高品質で効果のある化粧品であるはず

・行列ができているお店なのだから美味しいはず

・あの人はみんなに好かれているのだからいい人に違いない

 

こんなふうに自分なりの「色めがね」を通して物事を判断しているのですね。

 

そうした自分や他の人の「バイアス」があるかもしれない、と疑いながら事象を見直すとより正しい情報が見えてくるはずです。

 

2-2. 騙されなくなる

クリティカルシンキングができるようになると、騙されなくなります

 

「騙されなくなる」というだけでなくて、逆に「チャンスを逃がしてしまう」ということもなくなります。

騙されるのも困りものですし、だからといって疑いすぎて良い話や相手の親切を無駄にしてしまうのも良くないですよね。

 

何かを選択したり決断したりするときに、自分にとって不利益になるかどうかしっかりと客観的に検討してから決定できるようになるといいですよね。

 

クリティカルシンキングができれば、物事をそれまでよりもずっと正しく判断できるようになるのです。

 

2-3. 人を理解できるようになる

クリティカルシンキングができれば、それまでよりも人を理解できるようになります

 

すると必然的に人間関係が良くなりますから、仕事や家庭でのストレスが減り、ものごとがスムーズに流れるようになります

 

クリティカルシンキングでは、ひとつの事象を様々な方向から見たり、いろいろな条件下ではどうなるかを考えたりします。

今までは会社の上司に意地悪なことを言われたら

「あの人ってサイテー!すっごい意地悪!大っ嫌い!」

と腹を立てるだけだった人がクリティカルシンキングをするようになると…

 

クリティカルシンキングでは「事実」「意見」を分けてから考えるので、

起こった「事実」は

上司が「○○○○」と言った

だけになります。

 

「意地悪なことを言われた」というのは主観ですよね。

人によっては意地悪とは感じないかもしれません。

「あの人ってサイテー」「すっごい意地悪」「大っ嫌い」

もすべて主観からの意見です。

 

同じことを別の人が言われたら

「私のことを心配して励ましてくれた。仕事には厳しいけれどいい上司!」

と感じるかもしれないのです。

 

また、

・その上司がたまたまその日そのときだけ厳しいことを口にしたのか

・常にそうなのか

・それは上司の気分で変わるものなのか

・何か理由があって今日は厳しいことを言ったのか…

というように、様々な視点から考えられるようになります。

 

わたしたちは世の中をバイアスという「色めがね」を通して見ているということはお話しましたが、人に対してもやはりバイアスがあります

 

一度「嫌いな上司」と思ってしまうと、とくに女性の場合はなかなかその印象を変えることができないようなのです。

 

クリティカルシンキングはそのバイアスを取り除くお手伝いをしてくれるので、相手の人をもう一度見直すこともできるようになります。

また、新しく出会う人のことも第一印象や強い印象の残る出来事のみで判断しなくなりますから、仲良くなれるチャンスが増えます。

 

3. クリティカルシンキングの具体例

3-1. ものごとの原因を推測する

ものごとの原因を考えるとき、わたしたちは無意識のうちに自分のバイアスで判断してしまっています。

 

クリティカルシンキングで原因を考えるときには、

「この原因推測は自分のバイアスではないか?」

と自分に疑問を投げかけることが重要になります。

そして、より正確にものごとの原因をみつけられるように考えていきます。

 

【必要原因】

それがなければ結果が起こり得ない条件のこと。

 

出来事Xが出来事Yの必要原因であるには、YはXが存在しない限りは生じないということです。

 

たとえば、「わたしたち人間の生存」にとって「水を飲むこと」は必要原因です。

水を飲まなければ人は例外なく死んでしまうからです。

 

 

 

【十分原因】

それさえあれば結果をもたらすことが可能な条件のこと。

 

たとえば、野球で「点を取る」ための十分原因は、ランナーがホームベースを踏めばいいので、その条件はホームランでも押し出しでも得点の原因となるので、それぞれが十分原因となります。

あなたはついてきていますか~??

(わたしは正直、すでに投げ出しそうです…)

 

それでは、実際に考えてみましょう。

 

【必要原因を考えてください】

ある科目のテストにおいてA(優)を取ること

 

必要原因、思いつきましたか?

わたしはこれを見てすぐに

「その科目を一生懸命勉強すること~!」

と答えたのですが、それは間違いでした(泣)

 

なぜなら、たまたま知っている問題だったなどの理由で、まったく勉強しなくてもAを取る可能性はあるからです。

 

この場合の必要原因というのは、

・その科目を履修していること

・テストを受けること

そのほかにもあなたは思いつきますか(わたしは無理です・笑)?

 

必要原因は、そのテストが筆記試験であれば文字が読めること、書けることなども挙げられますし、テストは人を対象にしているので人であること、もそうです。

 

必要原因だけでもびっくりするくらいありますし、十分原因はさらにたくさんあります

 

このようにして原因推測をしたあとは、原因を選択していきます

 

3-2. 原因の選択

原因を選択していくときには、わたしたちが「人間の判断傾向を知っている」ことが重要です。

 

何度も出てきた「バイアス」ということですが、これを知っているとかなりクリティカルシンキングができるようになるようです。

人がある出来事を原因として選択するとき、ある種の要因は他の要因よりも原因とみなしやすいという一定の法則がある。

まず、人はたんにそこに存在していたものを原因と考えるより、何かの出来事が発生したことを原因ととりやすい。

たとえば可燃性の物質がそこにあったということよりも、火花が飛んだことの方が爆発の原因として考えられがちである。

あるいは、試験の成績が良かったとき、一生懸命勉強をしたことの方が、勉強につかった本の存在(さらにいえば、呼吸のための空気の存在)よりも原因とみなされがちである。

また、ふつうに生じる出来事や継続している出来事よりも、突発的に生じた出来事の方が原因とみなされやすい。

たとえば、動脈が着れたことが出血の原因であるとはいっても、心臓の拍動が出血を引き起こしたとはあまりいわない。

つまり、われわれは、何かしら以上で、新しく、ふつうではない条件を原因とみなす傾向がある。

「クリティカルシンキング(入門編)」E.B.ゼックミスタ・J.E.ジョンソン著(北大路書房)より抜粋

 

なるほどー。たしかに、ふつうではない目立つことがあれば、わたしたちはそれを原因と考えやすいですよね。

 

例題があるのでやってみましょうか。

ある人が市街地を車で走っていると、いきなりボールが車の前に転がってきた。

次の瞬間、このボールを追いかけて小さな女の子が飛び出してきた。

ドライバーはハンドルを切り、車は電柱に激突した。

 

これ以上の情報がない場合、この激突事故の原因は何かと問われたら、ほとんどの人が、少女が道路に飛び出してきたことが事故の原因であると答えるだろう。

 

それでは、もしもこんな情報が付け加えられたとしたら、人々がこの事故について別の原因を考えられるようになるというような情報をあげてみてほしい。

「クリティカルシンキング(入門編)」E.B.ゼックミスタ・J.E.ジョンソン著(北大路書房)より抜粋

 

これは、ほんの少し情報が付け加えられるだけで原因の推測や選択が大きく変わるということを理解するための例題です。

 

【新たな情報とそれによって考えられる原因】

・少女と車の距離は50m以上離れていた

→ドライバーは居眠り運転していた

→ドライバーは飲酒していた

→車のブレーキが壊れていた

 

・その道は通行止めだったのに看板が倒れていて目に入らなかった

→歩行者天国で遊んでいた子どもを目にしてハンドルを切った

→通行止め看板の設置状態が悪かった

→このとき異常な強風により看板が倒れていた

 

こんな感じですね。

 

たしかに、わたしたちはある限定された情報から原因を推測し、選択しているのだなあということがよくわかりますね。

他に情報があるか精査するということも、クリティカルシンキングには必要です。

 

3-3. 因果関係を表す基本的な3つの基準

「ある出来事が別の出来事の原因である」という「因果関係」を判断するには、3つの基準があります。

 

〇出来事の共変

出来事Xが出来事Yの原因であるならば、出来事Xと出来事Yは一緒に(共に)変化しなければならないということ。

『相関している』『随伴している』などと表現されます。

 

 

〇時間的順序関係

もし出来事Xが出来事Yの原因であるならば、XがYより時間的に先に起こっていなければならないということ。

単純なことに思えますが、「ニワトリが先か卵が先か」という言葉があるように、順序関係が混乱することはよくあることです。

 

 

〇もっともらしい他の原因の排除

出来事Xが出来事Yの原因と考えられ、さらにこの出来事X以外にYを「合理的に」説明できるものが何も存在しないときにのみ、XがYの原因であると認められるということ。

『第三変数の問題』とも呼ばれ、因果関係を考える上でもっともクリティカルな思考力が必要とされます。

 

ひえ~!!難しくなってきましたねえ…。

この『第三変数の問題』というのは、XとY以外にも原因として関係するもの(変数Z)があるかもね、ということです。

 

わかりやすい例があったので、短くまとめてみますね。

 

・タバコ(喫煙)が身体に悪いということは、よく知られています。

・喫煙者は禁煙者よりも病気になる確率が高いです。

 

これは、上記の『出来事の共変』に当てはまっています

そして、病気をしてからタバコを吸っているのではなくタバコを吸ってから病気になるので『時間的順序関係』も合っています

 

そして、『第三変数の問題』があります。

頭を使いたい人はここで考えてみてくださいね!

その一例は「ストレス」です。

 

・ストレスの多い人は病気になりやすいです。

・ストレスの多い人ほど喫煙者が多いです。

 

…とすると、喫煙と病気だけに完璧な因果関係を主張することはできないのですね。

 

ただ、喫煙だけが原因ではないとしても、どちらにしても喫煙者の方が病気になりやすいというのはわかっているということです。

 

3-4. 因果関係を表すその他の基準

因果関係についてクリティカルに思考するには、そのほかにも注意することがあります。

 

【相関の錯覚】

実際には無関係で相関していないものが相関しているように見えることがあります。

わたしたちが特定の出来事の原因を考えるとき、まったく何の先入観もないといことはあり得ません(バイアスがあるのですね)。

これまでの経験や体験、知識などがバイアスとなってしまい存在しない共変をみつけてしまうこともあるのだそうです。

心理学的には人の「期待」すらも実験結果には影響するといいますから、クリティカルに考えることがいかに難しいかわかりますよね。

 

 

【前―後論法】

「以前はこうだったが、ある出来事の後でこう変わった」という、前―後を比較する論法のことです。

この、前ー後の因果関係の根拠は一般に考えられているよりずっと弱いということを覚えておくといいようです。

「本当にそうなの?」と同時に、本当だとしても「どのくらいそうなの?」と疑うことが必要なのですね。

 

 

【同時発生の原因】

わたしたちの周囲では、多くのことが「自然に」起こっています。

その、自然の変化を何かの「原因」と捉えてしまうことがあるということも、覚えておく必要があります。

たとえば、5歳で100㎝だった子どもが10歳で140㎝になったとします。

彼が

・たくさん牛乳を飲んでいた

・毎日納豆を食べていた

・毎日何らかのトレーニングをしていた

これらのことがあって40㎝伸びたのか、それがなかったとしても40㎝伸びたのかはわかりませんよね。

 

はじめの方にお話した、医師が書いた本で納豆を食べる天才児が紹介されたことも同じですね。

彼は、納豆を食べなくても天才児になっていたかもしれないのです。

 

もうひとつ面白い例があったのでご紹介しておきますね。

 

〈まぬけな愛鳥家の話〉

ある男が巣から落ちたひな鳥をみつけました。

愛鳥家の彼はひな鳥を引き取り、とび方を教えようとします。

彼は鳥の飛んでいる映像を見せて、飛行技術を教えました。

ついにある日、成長したひな鳥は大空へ飛び立っていきました。

彼は自分の教え方が良かったのだと自慢しました。

 

実際には、このひな鳥は飛び方を教えてもらわなくても成長すれば飛ぶことができたのです。

わたしたちは、こうした例題ならばクリティカルシンキングできても、目の前に何らかの相関関係がありそうな問題をみると、「自然な原因」かもしれないということを見落としてしまうことがあるのだそうです。

 

【一致法】

ある結果を引き起こす原因Xがこれではないかという仮説を立てたら、同じ結果の生じている別の状況でもやはりそのXが存在しているかどうかを調べることで、Xがすべての状況を通しての唯一の共通項であるなら、Xが原因らしいと強く主張することができるということ。

 

これは、わたしたちも無意識のうちにしている原因探しの方法ですよね。

あるレストランで同じ日時に食事をした人たちが食中毒になったならそのレストランが原因だとか、そういうことです。

 

ところが、この一致法には落とし穴があります。

面白い例があるので、短くまとめて紹介しますね。

 

あるまじめな研究者が「二日酔い」について自分を実験台にして調べていました。

彼は1日目、スコッチウイスキーのソーダ割を大量に飲んで翌日、二日酔いになりました。

2日目、バーボンウイスキーのソーダ割を大量に飲んで、翌日二日酔いになりました。

3日目、テキーラのソーダ割を大量に飲んで、翌日二日酔いになりました。

彼はついに結論を出します。

「共通しているのはソーダだ!ソーダこそ二日酔いの原因である!」

 

これは笑い話として紹介されているのですが、共通する要因をみつけたつもりでも、それが正しいとは限らないということがよくわかりますよね。

 

 

【一致と差異の併用法】

先ほど紹介した一致法とは逆に、一方である出来事が起こり、一方では怒らなかったのなら、二つの状況で「違うもの」の中に原因があるはずだという探り方。

 

 

たとえば、夫婦で同じ食事をした休日に、妻だけが食あたりになったとします。

二人の飲食物で違うのは、妻がおやつに食べたケーキだけなので、それが原因と推測できます。

(ここまで読んでクリティカルな思考ができるようになった方は、きっと頭の中でケーキ以外の原因もみつけているでしょうね・笑)

 

一致法と合わせて差異法をつかうことで、より有効な分析ができるようになります。

 

4. クリティカルシンキングのトレーニング方法

ここまでで、クリティカルシンキングにおける出来事の原因の推測の方法や選択方法をご紹介してきました。

わたしにとっては難しい内容だったのですが、簡単に考えれば「出来事をいろんな方向から見る」ことだから、面白いなとも感じました。

 

さて、ここからは他人の行動をクリティカルに説明できるようになるトレーニング方法です。

これができるようになれば、相手をある程度は理解できますからむやみに腹を立てることもなくなりますし、チームワークの必要な場合などにもお互いを理解することに役立つと思います。

 

4-1. 他人の行動を説明する

 

ジョンの大学の女子バレーボールチームは、優勝をかけて戦っていた。知り合いの選手がいるので、彼は応援に行くことにした。

ホームゲームだったので、観客は多く、声援を送っていた。

しかし彼だけは場違いにも、自分の大学のチームに対して、侮辱のことばを浴びせかけていた。

正確にいうと、彼の攻撃は、ビッキーという背の高い赤毛の選手一人だけに向けられており、他の選手に対しては声援を送っていた。

おもしろいことにジョンは、学生食堂や生協の購買部などで会ってもビッキーを傷つけるようなことを言い、化学実験では彼女とペアを組むことを拒んでいた。

「クリティカルシンキング(入門編)」E.B.ゼックミスタ・J.E.ジョンソン著(北大路書房)より抜粋

 

これを読んで、ジョンがビッキーを野次った理由として、どのようなことが考えられますか

 

わたしがいちばんはじめに考えたのは、ジョンは精神年齢がとても低くて、ほんとうはビッキーのことが好きで、気を引きたいのでは?!ということでした・笑

つぎに考えたのは、ジョンは以前ビッキーと付き合っていて、ビッキーは浮気してそのままその相手とつきあうことになり、ジョンはひどい振られ方をしたのでは?!です。

 

う~ん、わたしには男女を恋愛感情に結びつけてしまうバイアスがあるようですねえ。

 

あなたはどんな理由を考えましたか?

 

クリティカルに考えるための方法として、心理学者のケリーは「人物」「対象」「状況」の3つの次元について考えることで原因を探していく方法「ケリーの立方体」を提唱しました。

 

人物の次元 → 一致性の高低

対象の次元 → 弁別性の高低

状況の次元 → 一貫性の高低

 

 

「一致性」とは「他の人々もその行動をしたかどうか」

「弁別性」とは「その行動が特定の対象にのみ向けられていたかどうか」

「一貫性」とは「いつでも同じ行動をするかどうか」

 

さて、この考え方を先ほどの例題にあてはめていくと

 

【人物の次元】

ジョンだけが敵意行動を示していて他の人はその行動をしていないので、一致性は低いといえます。

【対象の次元】

ジョンの敵意はビッキーにだけ向けられ、他の選手には敵意を示していないので、弁別性は高いといえます。

【状況の次元】

彼は試合でビッキーを野次っただけでなく、食堂、生協、化学の授業などの場面でもビッキーに敵意を示しているので、一貫性は高いといえます。

 

ケリーによると、一致性、弁別性、一貫性が描くパターンによって、原因が内的なものか、外的なものか、あるいはその組み合わせなのかが決まるといいます。

 

ジョンの行動は「高弁別性」「高一貫性」「低一致性」となりますが、このような場合、ジョン自信に原因がある「内的」なものとビッキーにも原因がある「外的」の組み合わせとなります。

 

弁別性と一致性が低く、一貫性が高い行動は内的原因によるものといえます。

もしジョンがチームのみんなを野次り(低弁別性)、野次っているのが彼一人であり(低一致性)いろいろな場面で彼が他人に敵意行動を示す(高一貫性)とすれば、彼自信の性格の問題であり、内的原因と考えられるからです。

 

逆に、3つの次元とも高い行動は、外的原因といえます。

もしジョンがビッキーだけを野次っても(高弁別性)みんなもビッキーを野次り(高一致性)、そして他の状況でも同じならば(高一貫性)、その原因はジョン自身ではなく、ビッキーにあると考えられます

 

4-2. 原因の重要性の推論

出来事に対してあなたが考えた原因はいくつもあるはずです。

その場合、どのように原因の重要度を決めているかを知っておくと、ほんとうの原因を探ることに役立ちます

 

人が現実に原因を選択するときには、いつでもケリーの立方体モデル的な考え方を使えるわけではないですよね。

ケリーのモデルを使うには、相手の普段の行動を知っておく必要があるからです。

 

実際は、ひとつの場面を見ただけで、出来事の原因を推測することも多いはずです。

 

そうなった場合、人は自分がこれまでに経験したこと、知っていることなどの情報を引き出して可能性のある原因をたくさん考え出します。

 

その場合、人は「どの情報を重視したらよいか」という重みづけをしますが、ケリーはこの過程には2つの原理が働いているといいます。

 

〇割引原理

割引原理とは、その状況で合理的に見える原因が他にあれば、それ以外の原因の重要性は低くなる、というものです。

 

たとえば

あなたにはやや引っ込み思案の同僚がいたとします。彼の今月の販売成績がとても悪かったことを知ったあなたは

「彼は内向的な性格のために契約が取れない」

と考えるはずです。

 

しかし、もし彼の妻が病気で入院していて彼は幼い子供の世話にかかりっきりだということを知れば、業績不振が彼の性格のせいだとは決めつけないでしょう。

 

うまくいった場合にも割引原理は働きます。

 

たとえば

あなたの別の同僚が、大口の契約を取りつけたとします。そのことを知ったあなたは

「彼は熱心に取引先を訪問し、説得を重ねたのだろう」

と考えます。

 

しかし、もしその取引先の担当者が、実は彼の叔父だったということを知れば、彼の努力に対するあなたの評価は下がるはずです。

 

〇割増原理

ある行為を行うには大きな障害(抑制的な外的原因)があるとわかっているとき、良い結果を得ることができた場合には行為者の内的要因に帰属されやすいということです。

 

たとえば

普段の実力ならとうてい勝つことのできない(抑制的な外的原因)相手との試合で、弱い方のプレーヤーが勝った場合、弱い方のプレーヤーの努力(内的原因)に対する評価は割増になり

「彼はすごく努力したに違いない」

と考えやすくなるということです。

 

5. クリティカルシンキングって面白い!

クリティカルシンキングについては、もっと書きたいことがあったのですがちょっと長くなり過ぎましたので、ひとまずここまでで区切ろうかと思います。

 

わたしにとってはちょっと(いえ、かなり・笑)難しいテーマでしたが、それでも退屈するということはなくて、「たしかになあ」「なるほどなあ」と思うことばかりで面白かったです。

 

わたしはスピリチュアル的な考え方が好きなのですが、心理学的なことを学ぶとスピリチュアルの世界も現実の世界もやっぱりつながっていて、どちらも、そしてどの学問も最終的には同じことを言っているのかもしれないな!という気持ちになります。

 

ひとつの出来事があったとして、その原因をどう推測するかは人それぞれですよね。

その出来事に対して、どうとらえて、どう感じるか、その人のこれまでの経験や今持っている知識などからなるバイアスがあって、まったく違う解釈をするということです。

 

あなたにも経験ありませんか?

「えっ?!?!そんなふうに考えてたの?」

というように、自分には思いつかないようなことを他人が考えていると知ったということ。

 

きっと自分とは違う考え方をする人からみれば

わたしの考えが

「えっ?!?!そんなふうに考えるの?」

になるのでしょうね。

 

普段の自分には考え方の癖(バイアス)がある、と意識してクリティカルシンキングできるようになると、あの人はこんなふうに考えるかもしれない、感じるかもしれない、という推測ができるようになります。

 

ほんとうに理解しあっているということではなくても、

「あの人はこう感じるのだな、こんなふうに考えるのだな」

ということを

 

「勝手な人ね!」とか

「そんな人いる~?!」とか

「考えられない・怒!!」とか

そうした自分の考え方からのジャッジではなく

 

「ただ、そう思える」

ということは

かなり自分を楽にしてくれると思います。

 

長い記事を読んでいただき、ありがとうございました!!

 

あなたもわたしも

クリティカルに物事を考えることで

トラブルを減らすことができて

他の人をジャッジしなくなりますように!

 

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