こんにちは!キャリアコンサルタントの金子めぐみです。
多くの女性が苦手に感じるものの中に「書類」や役所などでの「手続き」があるかと思います。
わたしももちろんそうです(笑)!!
今日はそんな自営業の「手続き」についてのお話です。
「自営業で起業したいけれど、いったいどんな複雑な手続きが必要なんだろう…」
そんなふうに考えて「はじめの一歩」が踏み出せない女性のみなさまにはぜひ目を通していただきたいと思います。
実際にはあっけないほど簡単なので、どうか心配しないでくださいね。
また、開業届は自分の現状をよく確認してから提出したほうが良い場合もありますのでしっかり確認してから前へ進みましょう。
もくじ
1. 開業する際の税務署での手続き
開業することが決まったら
税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出します。
サラリーマンや公務員家庭に育って、自分もそうした収入の得方をしていると、「税務署」とはあまりご縁がないと思います。
とはいえ映画や夕方のテレビニュースの特集などでは「税金の取り立て」の様子を目にすることもあるでしょうから、税務署に対しては「怖い」「わからない」という印象を持っているかもしれませんね。
実際は普通に区役所や市役所をつかうのと同じですよ!
緊張しなくて大丈夫。
そうそう、役所などへ行く際は、どんなときでも身分証明になる免許証や保険証、印鑑を用意しておくと良いですよ。
それでは税務署へレッツらゴー(いきなり昭和)!
1-1. 開業届を提出します
自営業を始めたら1か月以内に税務署に「開業届」を出します。
手数料はかかりません。
開業届は、金融機関で事業用の口座を開設するときに必要になることがあります。ですので、金融機関に口座をつくりに行く前に開業届を提出しましょう。
届け出用紙はこちらからダウンロードするか、税務署でもらえますよ。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
1-2. 青色申告承認申請書を提出します
個人事業者の税務申告には「白色」と「青色」があります。
「青色申告」にすると様々な控除が受けられますから、実際に利益があっても控除の分だけ税の対象ではなくなります。
つまり、同じ利益があっても控除が多い「青色申告」の方が「白色申告」より支払う税金が少なくて済む、「お得!」ということです。
とくにシングルマザーの方は、寡婦控除といって27万円の控除が受けられるので必ず青色申告承認申請書は提出しておきましょう。
※「寡婦」とは結婚後に夫と死別あるいは離婚していて再婚していない女性で、扶養家族(総所得額が38万円以下で扶養している子供)がいる女性のこと、つまりシングルマザーの方です。
シングルマザーでも児童扶養手当は子供が18歳までしかもらえませんが、寡婦控除は扶養している子どもの所得が38万円以下なら何歳でも受けられますよ(わたしも息子が18歳を過ぎるまで知りませんでした)!
シングルマザーの方、シングルマザーになりそうな方のための記事はこちらです
記入の手間はほとんど同じですから「青色申告」がおすすめです。
ただし、開業から2か月以内に申請しておく必要があります。開業から2か月が過ぎてしまうと、その年の申告は白色申告になってしまうので開業届と一緒に提出すると良いですよ。
青色申告についてはこちら
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm
開業した時に税務署に提出する必要があるのはこれだけです。
わからないことや記入の仕方が不明なときは、税務署の職員さんに尋ねてくださいね。親切に教えてくれますよ。
ね!考えていたより簡単でしょう?
開業の手続きや確定申告について不安がある方は地元の商工会に入会するといいですよ!(リンク)
2. 開業届を出す前に確認すべきこと
開業届と青色申告承認申請書は税務署で簡単に手続きできることがわかりましたね。
「それならすぐに開業届を出そう!」と行動する前に、一度自分の現状を確認しておきましょう。
2-1. 住宅取得を考えている人は
住宅取得を考えている人は、今すぐ自営業をはじめる必要があるかどうかよく考えたほうが良いです。
このサイトは女性向けに書いていますので、女性が自分で住宅を考えている場合のことになります。ご主人や家族の方が住宅ローンを組めるなら問題ないのでここはスルーしてください。
自営業をしている人は、自分でおこなう税務申告によって所得税が決まります。
つまり、納税をきちんとしていないと所得が証明されないということですね。
ですので、きちんと申告して納税しましょう(なんだかわたし、税務署の人みたいですね)。
「税金払うのがもったいない」といって経費を水増ししたり売り上げを少なめに申告したりすると、いざというときに困ることになります。
例えばわたしは以前、自動車で追突事故に遭いました。幸い、数日間通院したのみのごく軽いむち打ち症だけで済みました。
もしもこのとき、入院などで仕事を休む必要がある場合、自営業なら仕事を休んだために本来なら得ることができた収入を「休業補償」として保険会社から受け取ることができます。
「休業補償」は申告している納税額から年収を割り出して一日あたりの補償額を決めますから、納税していないと受け取ることができません。
注意しなくてはならないのが、きちんと申告して納税し普通のサラリーマン程度の年収があることが証明されても、住宅ローンが通りにくいということです。
クレジットカードや自動車ローンなら自営業でもある程度の所得が証明されれば承認されるのですが、住宅ローンとなると借り入れがとても難しいという経験をしました。
住宅ローンの審査は、自営業の場合3年間の確定申告書から判断されます。
ですので、3年以内に家を持ちたいと考えている人なら、今の職場にいるうちに住宅ローンを組んでしまう方が簡単です。
また、今は正社員ではないけれど近々家を購入したいという場合にはとりあえず正社員として雇ってもらえるところに転職するのもひとつの方法です。
転職後、1年が過ぎたら無理のない金額ならほとんどの金融機関で貸し付けてもらえるそうです。
サラリーマンならたったの1年同じ会社で働けば住宅ローンが組めるのに、自営業だと真面目に3年以上申告、納税してもダメなんて、面白い世の中ですよね(軽く皮肉)!
2-2. 夫や父親など家族の扶養になっている人は
現状で夫など家族の扶養になっている人は、自営業をはじめることで扶養から外れることもあります。
「扶養から外れるのは年収103万円以上の場合だから、年収が少なければ大丈夫」と思う人も多いと思います。
ところが、健康保険組合によっては「配偶者が自営業の場合、その配偶者は健康保険に入ることができない」と定めているところもあるのです。
だからといって、起業をあきらめる必要はありません。夫や親の扶養から外れたなら、自分で国民健康保険に加入すれば良いだけですから。
人は、とくにわたしも含めて女性は「やらない理由」を考えて逃げるのが得意です(笑)。
「扶養から外れちゃうから起業はあきらめるわ」なんていう「やらない理由」は、人生を楽しみながら生きることと比べたら、屁のようなものです(あらお下品!)。
扶養なんて外れても、それ以上に稼げば良いだけです。
もし稼げなかったとしても自分のやりたい仕事で成長していく自分のことを大好きになれるという、お金では買えない貴重な経験を得ることができるとわたしは考えます。
ただ、手続きだけはきちんとしたほうが良いのでここで確認したほうが良いと思いご紹介しました。
扶養に入っている方は夫の会社に問い合わせてみてくださいね。
健康保険組合によっては「妻が自営業でもパートでも、103万円以下の収入なら扶養する」というところもありますので、その場合は収入が103万円を超えたら扶養から外れれば良いのです。
「自営業だと扶養から外れる」と言われたら、市区町村の役場に行き「国民健康保険に加入したいのですが、どうしたらいいですか?」と尋ねれば手続きしてくれますよ。
身分証明になるものと印鑑を持って行きましょう。
2-3. 失業給付を受けている人は
現状で失業保険の給付を受けている人は、開業届を出して自営業をはじめることで「失業の状態」ではなくなりますので給付の対象外となります。
失業保険は、満額受け取らずに就職すると「再就職手当」が受け取れるのですが自営業を開業した場合でも要件を満たしていれば受け取ることができますのできちんと申請しましょう。
詳しくはこちら
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_stepup.html
3. 起業も自営業なら簡単です!
「なあんだ、起業っていっても自営業なら開業届を出すだけなんだ!」って思ってもらえたら嬉しいです。
会社を作ることに比べたら、書類や手続きに関して言えばお金も手間もかからないですよね。
わたしが起業した時代と違って、今はインターネットが普及していて女性が好きなことを仕事にしやすい時代だと思います。
自分が作ったものを販売したり、インターネットを使ってサービスを提供したり、フリーランスとしてクラウドソーシングで仕事をしたり…。
こんなにもチャンスがあふれている時代に「ああ、今日も仕事、嫌だなあ…」なんて思いながら好きでもない仕事をするのはもったいないと思います。
あなたが踏み出す「はじめの一歩」のお手伝いをするサイトになればいいなと思っています。
また他の記事でお会いしましょう。