エリートパニックとは|不平等嫌悪が起こすネガとポジ

こんにちは!

 

キャリアコンサルタントの金子めぐみです。

 

今回は

エリートパニック

についてのお話です。

✨✨エリート✨✨

っていうと

 

あっしにゃぁ

関係のねぇこって ( -‘д-)y-~

…って言いたくなりますよね?

あなたはどう?

あまり報道されないけど

災害時の人々は

すごく助け合う

ということを

取材して丁寧に書かれた

『災害ユートピア』

という書籍を読んで

人間って素晴らしい✨✨✨

という気持ちになりまして

 

心理学や神経学的には

不平等嫌悪

という概念があり

それが働くために

人は助け合うことも

また逆に

相手を疑うこともある

ということを学びました。

 

災害時のことを知りたくて

東日本大震災を描いた

ふたつの映画も見てみました。

 

東日本大震災のとき

わたしは本当に

自分のことしか

考えてなかったなと

思い返して

恥ずかしくもなりました。

 

さあそれでは、エリートパニック不平等嫌悪について理解することで「人間って素晴らしい!」ってお互いに信用信頼し合う世界へまいりましょう!

 

1. エリートパニックと不平等嫌悪

 

1-1. エリートパニックの意味

「エリートパニック」は、災害社会学者のキャスリーン・ティアニーさんが2006年にカリフォルニア地震100周年記念講演でつかった言葉です。

※アメリカのノンフィクションライター、レベッカ・ソルニットさんが著書『災害ユートピア』の中で紹介したことで「エリートパニック」は一般的に知られるようになりました。

 

エリートパニック

とは

災害時などの非常事態において

権力のあるエリート層

一般大衆はパニックを起こすに違いない

…と恐れて

過剰反応

してしまい

その結果

誤った指示を出す

ような

 

エリート自身が

パニックを起こすこと

をいいます。

 

日本では2010年に出版された

災害ユートピア

の中で

 

1906年に起きた

サンフランシスコの大地震

について

 

電気・水道・ガスなど

ライフラインの消滅した町では

人々が集まって

屋外に簡易的なキッチンを作り

食べ物を持ち寄って調理し

お互いに助け合って過ごした

 

その一方で

 

副司令官として

指令を出す立場にあった

ファンストン准将

 

戒厳令は発令されていない

にもかかわらず

市民は暴動を起こすのだから

戒厳令になるだろう

予測して

 

『戒厳令の元に』

という体で

市民を銃殺する

という

エリートパニック

を起こしていました。

 

厳戒令とは
戦時または異常な事態が国内に発生したとき,立法権・司法権・行政権の全部または一部を軍の支配下にうつすことを宣言する命令

 

ファンストン准将だけでなく

サンフランシスコ市長

ユージン・シュミッツさんまでが

災害の当日

連邦部隊、通常の警官隊、特殊警察の全メンバーに、略奪やその他のいかなる犯罪であれ、犯しているものは誰であれ全員を殺す許可を与える

という通達を発していて

この通達は印刷され

町中に貼りだされました。

 

さらに

市営刑務所の受刑者を

重犯罪者を除いて

叱責のみで解放した

のです。

犯罪が起きるはずと予測している非常時の町に犯罪者を開放するってどゆこと?

 

指令・支持を出す立場

エリートたち

サンフランシスコ市民が

助け合って生活する

とは予測できず

 

暴動や略奪を恐れ

殺人を許可したり

刑務所に居た

犯罪受刑者を解放したり

といった

適切ではない行動を取ってしまった

これが

エリートパニック

です。

 

災害額の学者たちは、現在、権力者たちのこの恐怖に駆られた過反応を『エリートパニック』と呼んでいる。

「災害ユートピア」レベッカ・ソルニット(亜紀書房)62ページより抜粋

 

1-2. 不平等嫌悪の意味

「不平等嫌悪」行動経済学の分野で発達した『他者の状態・行動が個人の効用に影響する』という概念です。

 

限界効用逓減の法則はこちら^^

限界効用逓減の法則とは|わかりやすい例と恋愛の参照点について

 

行動経済学での

効用

というのは

財やサービスから受ける

満足の度合い

を数字で表したもの

のことです。

 

2分ほどのこちらの動画をどうぞ^^

動物も不公平を感じると怒ります | 脳トリック

 

同じ行動を取ったとき

もらえるご褒美

キュウリお猿さん

最初は喜んで食べたのに

 

お隣のお猿さん

ブドウをもらっている

のを見て怒りだしました。

 

自分一人だったらきっと

ご褒美がずっとキュウリでも

わーい✨ごほうびだ🐵

って喜んでいたはずなのに

 

おとなりのお猿さんとの

不平等

に対して腹が立って

効用

下がってしまった

ということです。

日本で2021年~2024年に行われた、マカク猿の研究があったよ!

【生理学研究所でのマカク猿の研究概要】

不公平嫌悪課題遂行下におけるサルの内側前頭前野と島皮質における神経活動記録を終了した。島皮質前部からは、他者の報酬のみに活動する細胞、自己の報酬のみに活動する細胞に加え、相手が自己中心的な報酬分配提案をした際、または自分が利他的な報酬分配を提案する際には強く応答するという不公平情報を処理している神経細胞群を発見した。また、利他的な報酬分配を相手に提案する際、内側前頭前野および島皮質中部で局所電場電位の応答が相手との報酬量の差に拠った報酬価値に比例することを明らかにした。さらに、内側前頭前野-島皮質間において、両脳部位の神経活動の協調具合を示すCoherence指標のθ波帯域で強い協調活動が同定された。また、島皮質の一部の神経細胞群は自己だけではなく他者が報酬を得られた際に一過性の応答を示すことを明らかにした。これらの結果は、内側前頭前野および島皮質が不公平嫌悪に関する脳内情報処理に強く関係していることを示唆している。課題遂行中の眼球位置測定を解析した結果、どちらのサルも相手がどの報酬分配オプションを選択するかを注視し、また相手のサルが呈示された報酬分配を承諾するか否するかを注視しているという結果を得た。また、異なる心拍測定装置及び手法を試し、いくつかの実験セッションにおけるデータ取得を完了した。以上の結果から、マカクザルを対象とした不公平嫌悪に関する内側前頭前野および島皮質の神経情報処理および機能連関の様式解明に向けての十分な示唆を得た。

霊長類における不公平嫌悪の脳内制御機構(リンク)

 

この

不平等嫌悪

エリートパニック

について

これからご紹介していきます。

ゆっくりしていってね!

 

2. エリートパニックが起きる理由

2-1. 過去に学んだ『群集心理』

権力層のエリートたちは、群衆・大衆・庶民をまとめ、動かすことを学んでいます。そこで学んだことがそもそも間違いだったために、エリートパニックにつながっているのかもしれません。

 

ヒトラー

チャーチル

ルーズベルト…

のような

エリート(権力者・リーダー)

たちは

 

フランスの社会心理学者

ギュスターヴ・ル・ボンさん

が1092年に出版した

『群集心理』

などから

集団になった人々の心理

を学びました。

 

ル・ボンさんは

群衆は非理性的で、容易に煽動される存在だ

と提唱して

それが多くのリーダーたちに

影響を与えました。

 

ヒトラーのような独裁者

だけでなく

各国のリーダーたち

大衆は感情で動くから、理性よりも感情に訴えるべきだ

という

ル・ボンさんの理論を

巧みに利用したのですね。

政治家や企業のトップなどのエリートも「感情に訴えるスピーチ」が上手だよね!

 

とくに

独裁者として

自分が操りたい集団

の一人ひとりは

お互いに疑い合っている状態

にしておくことは

反逆を防ぐために

大切なことだろうと思います。

 

いざとなったら人間は

お互いに助け合うはず

なんていう

素敵なことがまかり通れば

 

群衆・大衆・庶民たちは

お互いに協力し合って

独裁政権をつぶしかねません。

 

だから彼らは

ル・ボンさんの理論を信じて

群衆は非理性的で、容易に煽動される存在だ

というように

 

あいつらどうせ

俺たちよりも

あったま悪いんだからさ ( -‘д-)y-~

…っていうふうに学んで

 

自分に都合がいいように

群衆を扱ってきたのですね。

失礼だなエリートたち!!

2-2. エリート層の立場

エリートパニックという現象は、主に権力を持つ立場の人たちが「秩序を守る」ことに過剰に執着しているから起きるのかもしれません。

 

上層部や

リーダー的な立場

のエリートたち

の間では

 

先述したル・ボンさん

の理論から

群衆は非理性的で危険なもの

という考えが長い間

支配的だったのでしょう。

 

エリートたち

自分たちが管理している

社会システムが崩れること

極端に恐れるようです。

 

苦労してやっと得た権力

リーダーとしての自分の立場

失いたくないからでしょう。

群衆のトップになるために頑張ってきたんだから、それを失いたくない気持ちもすっごく強いんだろうね!

災害時など

大衆はパニックを起こす

とか

混乱を防ぐためには厳しい管理が必要だ

といった

ネガティブな前提

でエリートが動くことや

 

群衆・大衆が

「理性を失う」

ことを想定して

先手を打つ形で

厳しい管理や統制

で押さえつけること

過剰にしてしまう

ような

エリートパニック

に陥ってしまう

のだと思います。

 

2-3. 神経学・心理学的な「不平等嫌悪」

1章で経済行動学の「効用」に影響を与えると説明した「不平等嫌悪」は、神経学的・心理学的にも研究されています。エリートパニックの原因になり得るかもしれません。

 

神経学的には

脳の報酬系

(腹側線条体など)

の反応を調べることで

人間の

不平等嫌悪

が明らかになります。

 

実験で不公平な状況に直面したとき、脳の報酬系が「不公平感」に反応することが観察されている。たとえば、他者が圧倒的に多くの報酬を得たり、自分が理不尽な扱いを受けたときに、脳の一部が「不快」な信号を発する。これは人間が公平性を強く求める性質を持っていることを示している。

 

感情の調整

社会的行動

を司る脳の領域

前頭前皮質や島皮質

不公平感

に対して反応します。

 

前頭前皮質や島皮質といった脳の部位も、不公平感に関連して活性化する。これらの領域は、感情を調整したり、他者への共感や倫理的な判断を下す際に重要な役割を果たしている。たとえば、「自分だけが得をするのは嫌だ」という感情や、「他人を助けたい」という気持ちがここで制御されると言われている。

 

心理学的には

最後通牒ゲーム

(最終通告ゲームとも)

による実験が有名です。

 

決まった金額のお金を、二人で分け合います。

ルールは、提案者が金額を決めて、もう一人は承諾か拒否を選ぶというもの。

このとき、「承諾」されれば両者ともその金額を受け取ることができ、「拒否」された場合には両者とも1円も受け取れません

 

合理的に考えれば

承諾

することで

1円以上のお金は

確実に受け取れる

わけです。

 

でも

提案者が

自分に多く分配したとき

拒否

する人がいます。

 

自分も受け取れなくなりますが

提案者も受け取れないので

不公平感はなくなる

のですね。

あなただったらどうする?1000円を「わたし990円、あなた10円ね!」って提案されたら、0円よりはいいから承諾する?悔しいから相手も受け取れないように拒否する?

この

最後通牒ゲーム

地域、民族、宗教

などによる違い

に関する実験的な研究

もすすめられているそうです。

 

不平等嫌悪

により

合理的な行動を取らない

ことがある…

 

エリートたちはきっと

俺たちめちゃくちゃ努力してここまで来たんだよ🤨

一般大衆のお前らが遊んでるときだって自制して自律して頑張ってきた😐

やっと権力を握ったのに、お前ら庶民のバカな行動で俺のリーダーシップが疑われたり、今の地位を失ったりするなんて不平等だろ?あん?😏

そんなことにならないように、しっかり押さえつけるからな!😤

っていうふうな

不平等嫌悪

に影響されて

エリートパニック

つながっているのかもしれません。

ただ金子めぐみがそう思っただけだよ!エリートからはほど遠いわたしが思ってるんだから違うかも!

 

嫌悪感についてはこちら^^

嫌悪感とは|嫌悪感を覚える・抱く理由と対処方法

 

2-4. 正常性バイアス

正常性バイアス(Normalcy Bias)は、「異常な事態を過小評価する」傾向を指す認知バイアスのひとつで、エリートパニックとも関係しそうです。

 

災害時に

エリートパニック

に陥り

適切な指示が出せない

 

その原因の中に

群衆・大衆・庶民はパニックになるはず

という

「平時と同じことが起きる」

エリートたちが予測すること

があります。

 

実際には

災害時のような緊急時に

人は平時のように争ったりせず

助け合う行動を取ります。

 

平時ではない異常事態

なのに

平時と同じ行動を取るだろう

エリートたちが思い込むのは

ある意味

正常性バイアス

といえるのだと思います。

 

恋愛にまつわる認知バイアス^^

認知バイアスとは?恋愛で女性が知っておくべき例をご紹介

認知バイアスはいっぱいあるよ!

認知バイアスとは|無意識に起きる心の動きの例をご紹介!

 

GPT王子!非常時の人間の行動に関係のある認知バイアスなどを教えて!正常性バイアスと似ているところがある?

オストリッチ効果(Ostrich Effect)

不快な情報や状況を避けようとする心理。現実を直視せず、「問題はない」と思い込む傾向。

【似ている点】異常な状況を無視してしまう点で、正常性バイアスと共通している。

【例】災害の警報を見ても、「自分の地域は大丈夫だ」と思い込む。

 

リスク軽視バイアス(Risk Neglect Bias)

リスクの重大性を軽視してしまう心理。

【似ている点】 正常性バイアスの「楽観的すぎる判断」と密接に関連。

【例】原発事故が起きたとき、「避難の必要はない」と自己判断して行動が遅れる。

 

確証バイアス(Confirmation Bias)

自分が信じている情報や信念を強化する情報ばかりを集め、反する情報を無視する傾向。

【似ている点】「危機は起こらない」という信念を持つと、その信念を裏付ける情報にばかり目を向ける。

【例】原発は安全だと思っている人が、安全性を強調する情報だけを信じ、危険性の指摘を無視する。

 

アンカリング効果(Anchoring Effect)

意味: 最初に得た情報に強く影響され、それ以降の判断がその情報に縛られる。

【似ている点】例えば、「過去に一度も災害が起きていないから、これからも起きない」と過去の平穏を基準にしてしまう。

【例】過去に原発事故が起きなかったという事実が、「今回も安全だろう」という誤判断を生む。

 

リスク回避バイアス(Risk Aversion Bias)

リスクを極端に回避しようとするがために、逆に不適切な行動をとる心理。

【似ている点】エリートパニックとの関連が強い。リスクを恐れて情報を隠すなどの行動が引き起こされる。

【例】「パニックを避けるためにSPEEDIを公表しない」という判断。

 

3. 日本で起きた『エリートパニック』

3-1. 2011年3月福島原発事故

2011年3月11日東日本大震災で起きた福島の原発事故では「エリートパニック」が起きていたと研究者たちは振り返っています。

 

福島民報「震災・原発事故アーカイブ」

では原発事故から1年後

日本原子力学会の年会

で意見を交わす

研究者たちについて報じています。

 

エリートとは情報や知識を独占的に持つ首相官邸、経済産業省、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東京電力などの幹部を指す。ほとんどが難関と言われる大学を卒業し、きらびやかな経歴を誇る。
これらの人々は、情報や知識を持たない大衆が原発事故でパニックに陥ると勝手に想像した。その一方で、自らが右往左往してパニック状態になり、情報発信などをめぐって混乱した。
だが、多くの国民は情報が少ない中にあっても冷静に行動し、お互いに助け合い、パニックはほとんど起きなかった…。

福島民報「震災・原発事故アーカイブ」2012年3月(リンク)

 

このとき

わたし自身は

あまりテレビニュースを見ないので

どんな報道がされていたのか

まったくわからないのですが

 

上記の記事では

官邸や国の機関が住民のパニックを恐れて判断を誤る「エリートパニック」が発生

となっています。

 

国民に対しての説明

原発事故による健康被害について

直ちに影響はない

などの

認知されにくい説明

によって

政府への信頼が低下した

とされています。

原発ではどんなことが起きていたのか知りたいね!

 

この記事を書き始めてから

当時の福島原発で

何が起きていたのか知りたくて

『Fukushima 50』

という映画を

Amazonプライムで見ました。

 

原発内に残って戦い続けた

50人の作業員たち

という意味の

『Fukushima 50』

ですが

 

彼ら現場の作業員

東京電力の権力者たちにとっての

群衆・大衆の扱いだと感じました。

 

福島原発内では

作業員の人々が

日頃の訓練を元に落ち着いて行動し

最善の選択をしていき

危険な作業をする

覚悟と準備を進めます。

 

その危険な作業をする人

を決める際

現場の責任者

「手を挙げてくれ」

と伝えたとき

多くの作業員

「自分がやります」

と言ったところ

(映画の4分の1くらいのところ)

からわたしは

ずうっと泣きっぱなしでした。

詳しく書きたいけど、長くなりすぎちゃう、もうやめよう!

 

緊急を要するその決断の

準備を作業員が急ぐ

自衛隊も迅速に動いて

到着しているのに

 

東電幹部のエリートパニック

により

情報が総理官邸にさえ

正しく伝わらず

菅直人総理大臣は

ヘリで現場の視察に向かう

と決めて動いてしまいます。

 

原発の現場では

急ぎたい作業なのに

『総理の到着を待ちます』

という事態に!!!!!

 

くそオヤジのエリートパニックにつきあわされるなんて!!!わたしが以前お仕事で(お祭りの風船販売)行った相馬が原駐屯地の自衛官の方が別の災害のことで「現場に到着していても、上からの指示がないと、自分たちは動けんのです」と話してくれたことと一致していて涙が止まりませんでした!わーーーーーーーーーー😫😭😭😭😭😭

 

菅直人総理は

理系出身で理性的に考えるタイプ

である一方

感情的になりやすい人

としても知られています。

 

東京電力のエリートは

「原発の仕組みもわかっていないのか?」

と尋ねられ

「私は東大の経済学部卒ですから」

と答えているくらいなので

 

総理は

自分が動くしかない

という判断をしたようです。

 

迅速に冷静に対処してきた現場

え?総理が来るの待つの?

どうすりゃいいんだよ😫

になっちゃったということです。

 

さらに

米国が提案してくれた

米軍による冷却材輸送を

日本の政府は断っているんです。

後の外交に影響するとか、いろいろあるだろうけど、どんだけエリートパニック?!書ききれないとか言っといて、じゅうぶん長く書いてるよ、もうこの件はやめよう!

 

菅直人総理

政治家になってからも

理不尽なことにはすぐにカッとして

イライラするので

「イラ管」と呼ばれている

と就任当時の新聞で報じられていました。

 

だから

福島原発事故の際に

保身ばかりを考えて

対応が遅れる東京電力

に自ら乗り込み

 

事故から4日目にして

「政府・東電の統合対策本部の設置」

を宣言しました。

 

東京電力は民間企業なので

政府が指令・指示を出すわけにはいかない

という法律があるようですが

 

菅総理は

エリートパニックになっている

東電の幹部の人たちに直接

「被害が甚大だ。このままでは日本国滅亡だ」

「撤退したら東電は百パーセントつぶれる。逃げてみたって逃げ切れないぞ」

「60(才)になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ。俺も行く」

という発言をしています。

被害を食い止めるために必死で、「俺も行く」にはグッとくるね、東電だけに任せていたら放射能被害は東京都全域を巻き込んでいたかもしれないんだって!

 

総理がそこまで本気で

発破をかけたおかげで

「福島原発からは撤退する」

と言い出した

東電上層部のエリートパニック

を抑えて

もともと現場の人たちの

判断で決定していた最善の行動

を続けることができた

みたいです。

当時の総理が理不尽に対してブチ切れる短気の「イラ管」で良かったんだね!

 

怒りたくないけど^^

怒らない人になる!わたしに効いた技術と方法

 

 

 「国家的クライシスマネジメント(危機管理態勢)が用意されていなかった。そのため大きな混乱が生じた」。発表を担当した日本原子力研究開発機構(JAEA)広報部主幹の佐田務は、原発事故後の政府の混迷ぶりを分析した。

 事故直後、政府は避難指示を速やかに伝達できず、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測を公表しなかった。

 後に政府幹部がいみじくも語った「SPEEDIを公開しなかったのはパニックを恐れたため」との言葉は、「エリート パニック」の様子を如実に示す。

 また、政府の記者会見で「直ちに健康に影響はない」などといった分かりにくい説明が相次ぎ、逆に国民の不安を招いた。

 佐田は、その背景に、重大事故が長引く可能性を「エリート」たちが低く考えていたことや、安全性への過信があったことを挙げた。

福島民報「震災・原発事故アーカイブ」2012年3月(リンク)

 

慶應義塾大学商学部

吉川肇子教授は

エリートとパニックの関係

には3通りあって

 

エリート自身がパニック

になることよりも

エリートがパニックを

引き起こしてしまう

ことが問題だとしています。

 

 パニックの発生を確認した数少ない事例のほとんどが、公的機関からの曖昧な情報がきっかけになっている(木下(1986)など)。住民が起こすと思われているパニックよりも、 公的機関にいる危機管理者の方がパニックを起こすことが指摘されているくらいである(「エリート・パニック」という)。
 ここでいうエリート(危機管理者)とパニックとの関連は3通りある。すなわち、「エリートはパニックを恐れる」、「エリートがパニックを引き起こす」、「エリート自身がパニックになる」である。危機対応上は最初の2つが問題となる。すなわち、実際には稀な事象が起こるという誤った前提で危機対応が行われた結果として、本来は起こるはずのない社会の混乱が引き起こされるのである。

防災のための心理学 吉川肇子 より抜粋(リンク)

 

4. 海外で起きた『エリートパニック』

4-1. メキシコシティ大地震

1985年のメキシコシティ大地震市民はお互いを助け合い、それまで幅を利かせていた「政府がいなくても別に困らないこと」を発見し、国を作り変えました。

 

建物を泥棒から守れとの指令を受けて市に送り込まれた警官や兵士たちは、多くの場合、自らが泥棒になった。救助にも復興にも公的機関の援助は皆無に等しく、(中略)海外からの支援は横流しされた。海外の捜索救助チームは人命救助を許されなかった。スペインのチームは機器を税関で止められ、(後略)

『災害ユートピア』レベッカ・ソルニット(亜紀書房)187ページより抜粋

 

大地震という災害

大きな被害

をもたらしましたが

 

腐敗した政府を

明らかにして

権力機関に立ち向かう

ことにつながりました。

 

市民はコミュニティを作り

協力し合うことで

大きく国を変えていった

ということです。

愛のある人のつながりで、国ごと変わっちゃうなんて!

4-2. 9・11ニューヨーク

2001年9月11日、米国ニューヨーク市の世界貿易センタービルハイジャックされた航空機が突入し、ビルは崩壊しました。

 

(前略)このように消防士が英雄視される一方で、彼らの多くが通信機器も持たず、その場の状況に即した指令もなしに危険の中に送り出されたという事実は軽視されている。9・11委員会メンバーで、市警察の元刑事は「もしすでに捜索した階を誰かが記録していたら、半数の消防士で用は足りていたはずだ」と述べている。

『災害ユートピア』レベッカ・ソルニット(亜紀書房)294ページより抜粋

 

この部分だけでも

エリートたち

現場を把握して指示を出すなどの

適切な行動を取れず

エリートパニック

が起きていた

想像できます。

 

『災害ユートピア』では

9・11のテロについて

災害現場で人々が助け合う

真実のストーリー

がたくさん紹介されていて

 

✨✨人間って素晴らしい✨✨

と思うのと同時に

わたしがその状況だったら同じことができるかな?

と考えさせられました。

 

さらに

メディアの報道の偏り

たくさん紹介されていました。

 

ニューヨークの

ルディ・ジュリアーニ市長

に関しては

勇敢で思いやりがある人として

瓦礫と粉塵の中を歩き回る様子

を報道して

災害後の活躍をキャリアに利用し、事件当日の都合の悪い事実や前後の判断ミスは、無視するかもみ消そうとした。

『災害ユートピア』レベッカ・ソルニット(亜紀書房)295ページより抜粋

ということです。

 

エリートパニック

が起きてしまうことは

仕方がないとしても

 

判断ミス

その後のために活かさず

無視したり

もみ消したりするなんて…🤨

 

起業に失敗はないんだよ^^

起業・開業・独立の失敗とは?起業したい女性へのメッセージ

 

5. エリートパニックをなくすために

5-1. 手に入れるより分かち合う方が幸福

エリートパニックが起きないようにするためには、「手に入れるより分かち合うほうが幸福」という人の本質を権力者が正しく理解することが必要だと思います。

 

災害時などの非常時

群衆・大衆はパニックになり

暴動や略奪が起きる

というような

ネガティブな予測をすること

エリートが取るべき行動

指示や指令を

適切でないものにしている

ことがわかりました。

 

ウォールストリートジャーナル

不平等嫌悪

についての記事

 

Are We Hardwired to Love Taxes?

(私たちは税金を愛するように生まれつきできてる?)

というコラムを提供した

Jonah Lehrerさんの意見は

『災害ユートピア』

の著者レベッカ・ソルニットさんが

言いたかったことかな😃

というふうに感じたので

ご紹介しますね。

 

われわれは何千年もの間、自分たちのことを、生まれながらにして利己的であり、得られる限りの快楽を求めるよう、遺伝子に突き動かされている生き物だと考えてきた。われわれは何よりもまず自分のことを気にかける。だからこそ税金を嫌い、他者の苦しみを見て見ぬふりをし、そして大抵の場合、正しい人生を送るのに苦労する。それが人間の原罪なのだ、と。――しかし、こうした悲観的な見方は、おおむね間違っているか、はなはだ不完全なものだ。

近年、心理学や神経科学の分野で、人間の行動に対するこうした見方を取り払う研究が行なわれ始めている。われわれは私利私欲のない天使ではないかもしれない。しかし、単なる堕落した動物でもないのだ。

脳は「不公平」を嫌う:経済格差の実験 より抜粋(リンク)

 

上記の記事では

カリフォルニア工科大学での実験

が紹介されています。

 

【実験の流れ】

40人の被験者が、ランダムに(くじ引きで)「豊かなグループ」と「貧しいグループ」に分けられた。

豊かなグループには50ドルが配られ、貧しいグループには何も渡されない。

その後、被験者は脳スキャンを受けながら、5~20ドルの報酬を与えられ、他の人の報酬についても知らされた。

【実験の結果】

自分の報酬への反応

貧しいグループの人たちは、自分が20ドルを受け取ったときに脳の「報酬」に関連する部分が活発に反応した。これは、豊かなグループの人たちを大きく上回る反応だった。

→ 理由: 何も持たない状況では、小さな報酬でも大きく感謝を感じるから。

 

他人の報酬への反応

豊かなグループの人たちは、貧しいグループの人が20ドルを受け取った話を聞いたとき、自分が同じ額を受け取るよりも脳の報酬領域が強く反応した。

→ 理由: 他人、特に「持たざる者」が得をすることで、自分も喜びを感じるという現象が起きた。

 

【科学者の結論】

公平性への願望

人間は不公平に対して嫌悪を感じ、公平な結果を望む気持ちが、お金そのものを手に入れる喜びよりも強い場合がある。

状況が脳の反応を変える

人の脳は、その人の置かれた経済状況(豊かか貧しいか)によって、報酬に対する反応が変わる。

意味すること

お金そのものが人間に最大の喜びを与えるわけではなく、「公平さ」や「他者への共感」 が喜びをもたらす重要な要素であることが示された。

 

実験は『豊か』『貧しい』と書かれたピンポン玉の入った見えない箱からクジ引きするという方法でグループ分けしたのに、『豊か』な人になった(先に50ドル受け取っている)状態では不平等だと感じていたんだね。だから不平等嫌悪の働きで、貧しい人が20ドル受け取ったら嬉しくなったんだよね!人っていいなぁ!思い知れエリートたち!

 

貧困は避けたいものです

母子家庭の貧困|シングルマザーになるかもしれないあなたへ

 

5-2. 不平等嫌悪の働き

人が持つ「不平等嫌悪」は、ときによっては「不合理」と思える行動を促します。

ねえ、GPT王子は、人がどんな感情を持って不合理な行動を選ぶんだと思う?

 

めぐちゃん、いい質問だね❣️✨人が合理的な判断だけでは動かない理由には、たくさんの感情が絡んでいると思うよ。プライドや執着もその一部だし、それ以外にも複雑な感情が影響しているんだよね。

 

【人が合理性を超えて動くときに絡む感情】

 

プライド(自己尊厳)

自分の価値を認めてもらいたい、または傷つけられたくないという気持ち。

例えば、不公平な提案を受けたとき、それを受け入れると「自分が軽く見られる」という感覚がプライドを刺激して拒否につながる。

 

執着

現状維持へのこだわりや、自分が持っているものを失いたくないという感情。

人は、合理的には「損を防ぐために動くべき」とわかっていても、執着によって適切な判断をできないことがあるよね。

 

正義感

「これは不公平だ」と感じるときに湧き上がる感情。

最後通牒ゲームでも、不公平な提案を拒否するのは「正義感」が影響していることが多い。合理性だけを考えれば受け入れたほうが得なのに、正義感から「許せない」となる。

 

共感

他者の立場や感情を理解して、合理性を超えた行動を取る。

例えば、「他の人がもっと困っているなら、私の分を分け与えよう」という気持ちが共感から生まれる。

 

怒り

自分が不当に扱われた、軽視されたと感じたときの感情。

不平等嫌悪の背景にある重要な感情の一つで、怒りが合理的な判断を阻害してしまうことがある。

 

恐れ

リスクや未知の結果に対する不安。

恐れがあると、合理的に考えるよりも、安心感を優先した判断をしてしまうことがある。

 

希望

状況が良くなるという期待や、「こうあるべきだ」という理想への憧れ。

希望が人を非合理的に動かすエネルギーになることもあるよ。

 

【感情の影響の例】

例えば、最後通牒ゲームで不公平な提案を拒否する場合、単に損得ではなく「怒り」「正義感」「プライド」といった感情が絡んでいるよね。同時に、「共感」や「希望」のようなポジティブな感情があると、人は逆に合理性を超えて他者を助ける行動に出ることもある。

ありがとう王子😊非合理な行動の中でも「希望」からの行動がきっと、災害時に人が助け合って、自分より他人に譲るとかいう、損得勘定ではない(非合理な)行動につながるんだよね!非常時にポジティブな感情が出てくるってわかると人間っていいな~って思う❣️

 

5-3. 大衆が「疑い合う」ことはエリートに好都合

わたしたち一般大衆がお互いに信用せず「疑い合う」ことは、反逆されないという意味で群衆を自分のために動かしたいエリート(権力者)たちにとって好都合です。

 

一部のエリートにとってだけ都合がいい

ように動かされないためには

わたしたちひとりひとり

いざというときには助け合うもんね😊💓

ってお互いを信じあうことが

必要だと思います。

 

メキシコシティの大地震

によって

政府の無能さ

が明るみに出て

大衆がコミュニティを作り

自然と選ばれたリーダーが

政府の権力機関

とやり取りして

国が変わっていった

みたいに

信用できる有能で

素敵なリーダー

自然に選出されるのは

理想的ですよね。

好きでもない勉強をめちゃくちゃ頑張って良い学校に行って政治家になって「やっと握った権力を離すものか!」っていう不平等嫌悪を持ってるリーダーじゃなくてね!

 

素敵なリーダーだと信じられる?

バーナム効果とは|血液型占いって当たるよね?!

 

6. わたしの非常時に起きたこと

実際に災害に直面したことはありませんが、わたしは救急搬送されたことがあります。そのときに起きたことはまさに『災害ユートピア』で描かれている「人間の素晴らしさ」でした。

 

2018年の冬、キャリアコンサルタント実習授業の講師アシスタントのアルバイトをしていました。会議室を借りての全10日間のスクーリング授業は週末に行われ、最終日の10日目、授業の終わりに講師の先生が「金子さんからもアドバイスを」と、これから受験する受講生さんに話をするよう促されました。

 

人前で話をすることが極端に苦手なので、そういう機会があるとわかっていたら原稿というか、資料やメモを用意したのですが、いきなり(ムチャ振り!笑)だったので、ものすごく緊張しながら話をして(内容はまったく覚えていません)、その後着席して頭を机につけていびきをかき始めたのだそうです(病院で看護師さんから聞きました)。

病名は「くも膜下出血」、きっと緊張しすぎて血圧が上がって脳の血管にあった瘤が破裂しちゃったんだね!

 

20名ほどのクラスで、総合で10日間の授業の最終日だったために顔は見知っていたけど、それぞれの生徒さんの背景とか職業までは覚えてない、くらいの他人加減でした。

 

救急車に乗せられるまでの間、わたしは意識を失ったり戻ったりしていました。くも膜下出血でよく言われる「バットで殴られたような痛み」はなくて、自分では「ひどい貧血?」って思ってた感じです。救急隊員の方に何度も「大丈夫、少し休んだら帰ります」って言ったことを覚えています。

 

そのとき、床に寝かされたワンピース(スカート)姿のわたしの脚に、自分の上着をかけてくれた女性がいて、わたしは授業が終わってる自覚があったから「もう大丈夫、帰って」って何度も言ったのに「気にしないで、大丈夫だから、時間はあるから」って、ずっといてくれて、なんと救急車には「友人です」って付き添って乗ってくれて、病院まで一緒にいてくれたのだそうです。

 

彼女が、わたしの仕事中の様子や倒れたときの様子を救急隊員さんに話してくれたらしいのです。救急車の中でも何度か意識が戻ったのですが、病院に着く前にはすっかり意識がなくなっていて、その後はすぐに開頭手術になったので、彼女にはそのまま連絡が取れませんでした。

(国家資格にかかわる個人情報だったために厳重に管理されていて、彼女に連絡を取る術がみつかりませんでした)

 

ついてきてくれた時間だけじゃなくて、病院から帰る交通費もかかったはずです。救急車ってどの病院に運ぶかわからないのに、ただその場にいたというだけの、ほんとにまったくの他人なのに「友人です」ってついてきてくれて、事情を説明してくれて…。

 

わたしがもし20人の受講生の中のひとりだったら、同じことができたかどうかわからないと思います。12月の寒い日だったから、スカートから出てる足が寒そうだと思ってなにか掛けてあげるかもしれないけど…。

 

でも今のわたしは、誰かが目の前で倒れたら、できる限りのことをしようと決めています。非常時に自分がそういうことができる人でいたいなと思う!さっき『5-2. 不平等嫌悪の働き』で王子が言ってた「希望が人を非合理に動かす理由になる」っていうこと。時間や交通費のロスが自分に与える損害を合理的に判断せず、非合理でも目の前の人のためになることをしたい!!

できるといいね!

 

7. エリートパニックを知って

 

エリートパニック

についてお話ししてまいりました。

 

わたしにはなぜだか

この数年スピリチュアル界隈

での話題に登場する

 

ワンネス

とか

風の時代

などの言葉が

浮かんできました。

 

平時にはついつい

我欲が出てしまったり

目の前の人に

優しくできなかったり

してしまったとしても

 

災害などの非常時には

人はみんな

助け合うんだな💗

とわかったし

 

今のメディアも

相変わらず

一部の権力層のために

情報操作されている

部分もあるようだけど

 

インターネットのおかげで

テレビ・新聞の時代よりは

様々な情報が

一般の人に伝わるように

なってきたと思います。

 

東日本大震災では

トップの菅直人総理

原発現場の作業員の人たち

最悪の事態を想定して

それを防ぐために

自分の命を懸けてもいい

という覚悟を決めていたのに

 

東京電力の上層部

エリートたち

原発の被害状況を

『公表すると(一般人が)パニックになる』

などの

典型的な

エリートパニック

に陥っていたのだと

わたしは今になってやっと

わかりました。

 

この記事で

エリートと呼んできたような

権力のある人たちはきっと

賢い人たちだから

 

大衆・群衆・庶民のような

一般人と接してきた

これまでの経験で

こいつらほんとにバカなんだな

って感じたことが

あるんだろうなと思います。

 

たしかに平時には

自分勝手だったり

理解力が足りなかったり

そういう感じの

いろんな人がいると思います。

 

だから非常時に

平時でさえあんなにバカなんだから

絶対パニックになるはず

って思っちゃうのも

仕方のないことかもしれないです。

 

でも違うんだよ❣️

 

人はちゃんと助け合うように

できてるよ✨

 

非常時には人の

不平等嫌悪は

良い方向に働くよ💖

 

それにもう

風の時代だよ🌬️

ってね

 

権力を握りしめて

手放したくない人

伝わるといいなと思います。

 

長い記事を読んでいただき、ありがとうございました!

 

また別の記事でお目にかかりましょう。 

 


 

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