こんにちは!キャリアコンサルタントの金子めぐみです。
今回は、「苦手な仕事」について考えていきます。
今あなたがしている仕事の中に、「苦手な仕事」ありますか?
程度の差はあっても「苦手な仕事」って、誰にでもあるのではないかなあとわたしは思います。
苦手なことからずっと逃げていると、ずっと苦手なままだと思います。
けれど、無理に克服しようとすると内容によってはストレスで心が壊れちゃうこともあると思います。
わたしの場合は「逃げない、けれど無理に克服もしない」という方法で長い間仕事をしてきました。
苦手なことから逃げずに自分が得意な方法で解決するようにしていくと、苦手意識が薄くなって苦手だったことができるようになったことがたくさんあります。
あなたのお役に立つといいなと思うので、ご紹介させてください。
それでは、苦手な仕事から逃げないけれど無理に克服もしない世界へまいりましょう!!
もくじ
1.苦手な仕事は誰にでもあります
1-1.ひとつの仕事にいろいろな要素が
あなたがしている仕事の中には、様々な業務がありますよね。
ほとんどの仕事は、ひとつの要素だけではなくいろいろな要素があるので自分が得意なことも苦手なことも含まれていると思います。
大好きで選んだ仕事でも、その業務の中にはきっと苦手なこともありますよね。
たとえば、看護師さんなら
・患者さんやその家族と接する(コミュニケーション)
・医学や薬学が必要な治療行為(知識と技術)
・他の医療スタッフとの連携(コミュニケーション)
・カルテなどの記録作業(記述能力・タイピングの速さ)
といった業務や他にもきっと雑務がたくさんあるはずです。
これらすべてが同じように得意ということはあり得ませんよね。
たとえば保育士さんなら、子どもが大好きで保育士になったけれど、上司やスタッフ間のコミュニケーションの難しさに悩んだりすることもあるかもしれません。
1-2.大丈夫、あなただけではありません
「苦手なことがあるのはあなただけではない」ということを、しっかり心に刻んでおいてください。
これから、苦手なことから逃げないで解決する方法を試すとき、いつもそのことを忘れないでいることがとても大切です。
人それぞれに得意なことや苦手なことがあると思っていれば、必要以上に委縮することもなくなりますし、他の人のことも許してあげられるし助けてあげられるのでとても楽になります。
苦手なことがある自分をゆるすための記事を書きました(リンク)
苦手なことがあると、どうしても仕事の楽しい部分や好きな部分を心から楽しむことができなくなってしまいますよね。
仕事を辞めたくなるというのは誰にでも経験があるものですが、苦手なことがあるというのは大きな原因となっているはずです。
長い間苦手なことから逃げ続けているといつまでも得意にはならないですし、心にはストレスがずっとかかっている状態ですから、「なんか仕事辞めたくなってきた」という結果になってしまうのですね。
1-3.苦手を得意が上回っていますか?
あなたの場合、仕事の中の苦手なことを、得意なことが上回っていますか?
「苦手」と「得意」の間には境目があるわけではなくてずうっとグラデーションでつながっているとは思うのです。
苦手(0)ーーーーーーーーーー得意(10)
こんなふうに点数で表してみましょう。
【クレーム対応】(1)
【普通の接客】(8)
【販売成績】(10)
【売上書類等作成】(3)
【上司とのコミュニケーション】(8)
【部下とのコミュニケーション】(2)
【在庫管理】(3)
クレーム対応が苦手でも、販売成績はすごく良くて売るのは得意!
部下とのコミュニケーションは苦手でも、上司とは得意!
得意なことがあって苦手を上回っていれば、苦手なことはどうにかなると思います。
苦手なことだらけ、という場合はその職業があなたに向いていないということもありますし、あなたが職業選択のときに自分の本当の気持ちを無視してしまったということも考えられます。
仕事は一日のほとんどの時間になりますから、苦手なことだらけでは人生の充実度が下がってしまいますし自己効力感も低くなってしまいます。
苦手な仕事をこなすために自己効力感アップ!のお話はこちら(リンク)
今の仕事が苦手だらけなら、一度じっくり考える時間を持った方が良いと思います。
2.苦手な仕事を得意な方法でするには
2-1.違う方法でそれができないか真剣に考える
苦手な仕事を得意な方法でするためには、方法を変えることが可能かどうか真剣に考えることが必要です。
それには、自分の中の枠組みや常識をいったん取り払った方がいいかもしれません。
そして、耳から煙が出るくらい考えます。
わたしが営業職だったときに苦手だった「飛び込み営業」を別の方法でしていくことで、最終的には飛び込み営業が平気になったことをお話しますね。
わたしは、若いときに不本意ながら営業職に就いたことがあります。
「旅行情報誌を一緒に作りませんか?」という求人広告だったので、ライター募集だと思って応募したら、営業ライターだったのです。
自分で売った広告枠のコラムを書くという…「売らなきゃ書けない」という歩合給のお仕事でした。
社内では「お宿さん」と呼んでいた、旅館・ホテル・ペンション・民宿さんがクライアント様だったのですが、飛び込み営業は最初本当に緊張しました。
見本誌と名刺を持ってフロントに行き、小さな声でもごもごとあいさつしてそれらを置いてくるのが精一杯という感じだったのです。
でも、そのままではお仕事が取れませんから歩合給もいただけなくなってしまいます。
そうしたら、大好きな夫の外車(築20年のアパートに住みながらイタリアの大統領(総理大臣?)と同じランチア・テーマを新車で購入していたんです)のローンが終わらない…
「どうしたらいいのだろう…」
耳と鼻から煙が出るくらい考えました・笑
そして考えついたのが「お手紙で伝える」という方法です。
書くことって様々な面で役立つのです^^
2-2.相手の立場になると解決策がみつかる
自分のことばかり考えないで相手の立場になると、意外な解決策がみつかることがあります。
苦手なことを自分にとって得意な方法で解決するときに、耳から煙が出るくらい考えるといいました。
最初に「なぜ自分はそれが苦手なのか」を考えます。
【なぜわたしは飛び込み営業が苦手なのか】
・いきなり担当者を呼んでも、どんな営業をしたらいいのかわからない
・初対面の人と二人きりで何分も話すという経験がない
・相手の人が忙しかったら迷惑だから、アポなしは失礼に感じる
・歩合給ということに心のどこかで罪悪感がある
わたしにとって、この中でいちばん大きな原因は
「相手が忙しかったら…」
という、相手の都合が気になることでした。
タイミング悪く呼び出してしまうと相手にとって迷惑で、わたしの印象も悪くなってしまう…つまり、嫌われたくない気持ちがあったのですね。
だから、いつも
「広告ご担当者様にお手渡しください。皆様も、お時間のあるときにご覧ください」といって見本誌と名刺だけを置いてきていたのです。
でも、置いてくるだけではまったく問い合わせもいただけませんでした。
わたしは初対面の人と、この仕事の商談を上手にできそうもない。
そんな状態では、約束を取りつけても相手の時間を無駄にしてしまう。
…だったら、研修で学んだセールスポイントを手紙で伝えてみよう!!手紙なら相手の都合の良いときに読んでもらえるし!!
A4のコピー用紙に手書きでお手紙を書き、お宿さんの件数分コピーして見本誌にはさんだのが、わたしにとって最初の「苦手な仕事を得意な方法で解決する」でした。
2-3. トライ&エラー!とにかく行動する
思いついたことは、ダメ元でいいのでとにかく行動することです。
動かないことには、どんな結果も得られません。
自分で考えた解決方法は、職場によっては「そんな勝手なことしてはいけない」という場合もあると思います。
でも、あんがい自分の思い込みということもあるので、会社にとって大きな損失になることではないなら、やってみてしまっていいと思います。
女性は学生時代からずっと「誰かに許可をもらわないと、やってはいけない」と思い込んでいる人が多いのです。
大丈夫、あなたがはじめにやってもうまくいけば問題ないです。うまくいかなければ、またやり直せばいいことです。
誰かに叱られたらきちんと「なぜそうした行動をしたか」理由を説明したうえで、あやまっちゃえばいいです。
わたしの「お手紙作戦」は、セールスポイントをお手紙にしてはさんだだけではまったく反応がありませんでした。
すでに何冊も読んでいた中谷彰宏さんの本では「お客様は、同じものを買うなら自分が好きな営業マンから購入する」ということが書いてあったので、
「そうか!わたしのこと、まだ知ってもらっていない!」
と気づき、お手紙に自己紹介をつけました。
そして、
広告ご担当者様がお忙しいとご迷惑だと思ってしまい、身体は大きくても肝っ玉は小さな私なのでなかなかアポイントを取ることができません。
お時間のあるときにご挨拶にうかがいたいので、もしよろしかったらご連絡いただけるととても嬉しいです。
日ごろは営業に出ているので留守番電話になってしまいますが、確認しだいすぐにこちらからかけなおします。
と書いておきました。
そう、まだ携帯電話が普及しはじめたころで、わたしは持っていなかったのです。
一日に何度も公衆電話から自宅の留守番電話を確認したり、お宿さんにアポイントメントを取る電話をしたりしていたので、20件くらいのクライアント様の電話番号は暗記していました(今では考えられないです…)!!
わたしは自分でもビックリするくらい記憶することが苦手なので、このときは愛する夫のイタリア車のローンを終わらせ、次なるイタリア車(マセラティ)を買ってあげたくて必死だったのですねぇ。。。
すると、見本誌を配った半数以上のお宿さんから連絡をいただくことができるようになり、順調に広告も売れるようになっていきました。
広告の効果が良かったお宿さんは、次にうかがうと
「おかげさまで、集客できたよ」
と言ってくださるので、その話を他のお宿さんにも伝えたいな、という気持ちが湧いてきて自然とアポイントメントを取ることも飛び込みでうかがうことも苦手ではなくなっていました。
3.苦手な仕事を人にお願いするなら
苦手な仕事を自分の得意な方法で解決するアイデアが出ないときには、誰かにお願いするということも選択肢に入れてみてください。
3-1.いらないプライドは捨てる
苦手な仕事を誰かにお願いするときに邪魔してしまうのが、プライドです。
「できない人だと思われたくない」というプライドなら、いらないプライドなのですぐに捨ててしまいましょう。
「ほかの人たちからの自分の評価が下がる」ということが気になることもあるかもしれませんね。
それは、苦手なことから逃げて投げ出してしまったり、この先もずっと苦手なことにチャレンジしないという態度を取ったりするのであれば評価は下がると思います。
けれど、今できないことや苦手なことがあるという程度で他の部分まで評価が下がってしまうということはありませんよ。
わたしの経験でいうと、風船業で使うヘリウムガスの流通が滞ってしまい副業をはじめたときにそれを実感しました。
ランサーズというクラウドソーシングサイトで、ライターの仕事をはじめたのですが、なんとそのときのわたしは、ライターになろうというのにワードを使ったことがないという状況でした・笑
ワードが苦手でもチャレンジしたランサーズのお話はこちら(リンク)
このときは、クライアント様に自分には何ができてできないかを素直に(プライドを捨てて恥ずかしがらずに)お話することで、たいていの「苦手」は解決できました。
あっさりと「ああ、それならその部分はこっちでやるので大丈夫ですよ」とやっていただけたり、「これからも依頼したいので、簡単ですからやってみてください」と教えてくださったり…という感じです。
苦手なことを口にしたことで失ったお仕事はひとつもありません。
それどころか、できないことがあってお世話になったクライアント様ほど長いおつきあいをさせていただいています。
3-2.自分も人を助ける
苦手な仕事を誰かにお願いすることもあるかもしれないので、日ごろから自分も他の人を助けるようにしておくといいです。
考え方としては、
「自分はその人を助けたのだから、自分も助けてもらう」
という感じではなくて、
「いつか自分が困ったときのために、宇宙貯金をしておく」
という感じです。
自分が助けてあげた人から直接還ってくると考えていると、有能な人の手伝いしかしなくなってしまいます。
そうなっちゃうとなんだかいやらしいですよね。
神様…というか、宇宙の法則では「自分のしたことはどこかから還ってくる」ということらしいのです。
してあげたその人から還ってくるわけではないのですね。
だから、「相手がどんな人か」とか、「どんな見返りがあるのか」とか、考えないで大丈夫。
いつでもどこでも、誰かを手伝う気持ちでいるといいと思います。
3-3.自分にできるところまでは必死でやる
誰かに何かを尋ねたり、苦手なことをお願いしたりするときには、自分ができるところまでは必死でやってからにするといいです。
はじめに「苦手なことからは逃げない」といったのは、そういうことです。
無理して克服しなくても、「自分が得意な方法でできないかな?」と頭を使ってみて、行動してみる。
それが無理そうだったら、誰かにお願いしてみる。
でも、やる気もなく自分でやってみることもせずに「私これ苦手なんで、できないからやってくださ~い」と丸投げしたがる人を助けてあげたいと思う人は少ないですよね。
「すみません、ここまではどうにか自分で調べたのですが…」と、あなたが苦手なことを得意な人に尋ねることで、いい感じに解決しますよ。
「簡単だから教えてあげるよ」ということもあるでしょうし、「その先はやっておくよ」ということもあるでしょう。
ルーティン作業ならば、相談して他の仕事と替わってもらうこともできるかもしれません。
4.苦手な仕事を自分の得意な方法で解決
ここまでは、わたしが自分の経験を実例にお話してきましたが、「苦手な仕事を自分の得意な方法で解決」した例を書籍で読んだものをご紹介しますね。
【営業なのに話すことが苦手なR子さん】
初対面の人と会うと緊張してしまい、仕事の話しかできなかったという話下手なR子さんは、自分の得意な「聴くこと」と笑顔を徹底することにしました。
名刺交換をしたら、とにかく相手に興味を持って短い質問をくり返し、相手に気持ちよく話をしてもらうようにしました。
笑顔を絶やさずに、「へえ~!」「そうなんですか」「それは珍しいですね」というように相づちを打つことはR子さんにとって得意なことでした。
名刺を交換したあとすぐに商談に入っていたころは、うまく話せずに短い時間で商談が終わってしまい「自分は話下手」という苦手意識が強くなっていたのですが、今では「必要なことは後に書類で相手に送ってもいいから」とゆったり構えられるようになり、クライアントのことをよく理解できるようになりました。
話すことは苦手なので、提案はわかりやすく見やすい書類を商談の後にまとめて送るようにしました。
相手の話をよく聴いているので自然とクライアントに合った提案ができるようになり、営業成績もアップしたそうです。
R子さんは「自分の苦手分野」を「営業職」ととらえなかったところがポイントかなあと思います。
「話すことが苦手」なだけで、「営業が苦手」と思わなかったところがR子さんの前向きなところですよね。
R子さんは、「営業マンなら話さなくてはいけない」という思い込みを捨てて、「話さない営業」にしたのですね。
得意なことを活かして「とにかく笑顔で話を聴く」「話すことが苦手なので、見やすい書類をつくる」ことで営業が成り立つ経験ができれば、この先も「営業が苦手」とは思わずにすみますよね。
苦手な仕事は誰にでもあります。
大好きな仕事に就いたとしても、その中には得意なことと苦手なことがあると思うので、得意な方法で解決できないか一度(耳と鼻から煙がでるくらいね!)考えてみるといいですよ。
長い記事を読んでいただき、ありがとうございました!!
苦手な仕事のおかげで
もやもやした嫌な気持ちにならずに
あなたが自分の得意な方法での解決策をみつけて
笑顔になれるよう願っています。
また別の記事でお目にかかりましょう。