こんにちは!!キャリアコンサルタントの金子めぐみです。
今回はエピジェネティクスのお話です。
エピジェネティクス?
この言葉、最近読んだある小説に出てきて、わたしは耳にしたことのない言葉だったのでネットで調べました。
するとエピジェネティクスは遺伝子にまつわるお話だとわかったのですが、とても興味深かったので、エピジェネティクスに関する本をいくつか読んでみました。
引き寄せの法則やコーチングなどでつかわれる「アファメーション」は、自分がこうなりたいという肯定的な言葉を口にすることですが、このアファメーションに効果があるのも、遺伝子と関係しているようなのです。
スピリチュアルなことや考え方って、科学的にいろいろなことがわかってくると不思議なことではなくなるというか、あたりまえなんだなあと思えます。
エピジェネティクスに関するいくつかの本を参考に、難しい言葉をつかわずに、わかりやすくご紹介していきますね!
もくじ
0. エピジェネティクスを理解するための基礎
わたしたち人間の体は約60兆個の細胞でできていて、その細胞の一個一個の核の中に染色体があります。
その染色体をほどいてみると、二重らせん状のDNAが存在していて、そこにDNAを構成する4つの塩基文字(A・T・C・G)を組み合わせた、およそ30億の膨大な遺伝子暗号が書かれています。
この塩基文字の総数をヒトゲノムといい、そのうちのタンパク質をつくる情報に関する部分を「遺伝子」と呼んでいます。
2003年にヒトゲノムはすべて解読されました。
しかし、ヒトの遺伝子の働きが確実に判明しているのはDNA上の全遺伝情報のせいぜい2%程度なのだそうです。
まだ解明していない残り98%は眠っている状態なのかもしれません。
1. エピジェネティクスとは
1-1. 遺伝子にまつわる学問の領域・システム
エピジェネティクスとは、DNAの配列変化によらない遺伝子発現についての学問の領域のことや、DNAの配列変化によらない遺伝子発現を抑制・伝達するシステムのことをいいます。
DNAの配列変化ではない、「ヒストン修飾」と「DNAメチル化」による遺伝子発現制御のことをエピジェネティクスというのですね。
「わかりやすく簡単にご紹介!」とタイトルにあるのに、
難しいじゃないですか!!!!
…と思われたあなた、ごめんなさい。
もうちょっとわかりやすく簡単にいいます。
人をはじめとする動物や植物などの生き物には、その特徴を左右する遺伝子があります。
「突然変異」といって、ときどきその遺伝子の配列が変わって次の世代が生まれることもあります。
それが「DNAの配列変化」です。
ところが、DNAの配列はそのままなのに、その人や動植物といった生き物の特徴が変わることがあります。
そうしたことを研究する学問や、そうした状態になるシステムのことを、エピジェネティクスといいます。
これなら、わかりますよね^^
エピジェネティクスについて、環境などの「外側から来るもの」がDNAに影響を与えていることを研究したブルース・リプトン博士の動画です。
リプトン博士は「科学とスピリチュアルの橋渡し」をしているといいます。スピリチュアルに懐疑的な人はこの動画を見ると科学的に説明がつくことがわかると思います。エピジェネティクスの「エピ」は、「超える」という意味があるそうです^^お忙しいあなたは6分のところから見るとすぐにエピジェネティクスの話題を見ることができます。
1-2. 遺伝子にスイッチがある?
遺伝子にスイッチがあるという例えを聞いたことがあるでしょうか。
「ヒストン修飾」と「DNAメチル化」によって遺伝子の出現を制御しているということを、スイッチに例えるととてもわかりやすいと思います。
DNAの配列はそのままなのに、特徴が変わるのはなぜかというと、遺伝子の出現が変わるからです。
生き物は、持っている遺伝子のすべてを出現させているわけではないのですね。
スイッチがあると考えると理解できます。
今はこの遺伝子とこの遺伝子が「ON」になっていて、この遺伝子とこの遺伝子が「OFF」になっている…という感じです。
スイッチが「ON」になっている遺伝子が「出現している」遺伝子というわけですね。
1-3. 遺伝子は変えられる
スイッチの「ON」「OFF」みたいに切り替えられるということは、「遺伝子は変えられる」といってもいいようです。
このDNAのスイッチを利用してクライアントの困った問題を解決している大嶋信頼さんという心理カウンセラーがいます。
大嶋さんは、アルコール依存症の専門病院に長く勤務して患者さんの治療に携わっています。
あるとき、反省をして回復していく人がとても少ないことに気づきました。
「自分が悪い」と口にする患者さんは良くならないのです。
大嶋さんは、身体に悪い菌などを攻撃する自己免疫が暴走することでアトピーなどのアレルギー疾患になることと、反省して必要以上に自分を攻撃していることでアルコール依存症が治らないのは似ているのではと考えました。
そこで、患者さんに自己免疫が暴走する原因になっている、腸の溝に関連する遺伝子を唱えてもらいました。
すると、遺伝子の名前を唱えてオフにすることで患者さんが自分を責めることを止めることができ、さらにアトピーなども回復することがわかりました。
他にも、ギャンブルやDVなどはてんかんのような「発作」が原因と考え、てんかんの遺伝子コードを唱えることでDVを止めることができた患者さんもいるそうです。
大嶋さんはとてもユニークな考え方を持っていて、見方によっては宗教的だったりスピリチュアル的だったりすることを言っています。
わたしは大嶋さんの考え方はとても好きです。
たとえば、先ほど「自分を責めるのを止めるといい」というお話がありましたが、自分を責めるというのは考え方の癖のようなものですぐになおすのは難しいと思います。
そこで、「あなたが悪いのではなくて、この遺伝子がオンになってただけだよ」と教えてあげることで「自分ではなくて遺伝子のスイッチが間違えて入っていたのか」と患者さんは自分を許すことができるのですね。
そういえば斉藤一人さんも、「自分を許すんだよ」ってあったかい声で話されていました。
「でも、私どうしても自分を許せないんです」
っていう人には
「自分を許すことができない、って言ってる自分を許します、って言いな」
って言っていました(笑)!
エピジェネティクスによらず自分をゆるす方法について記事を書きました、こちら
大嶋さんはまた、言葉の力、言葉が脳に与える力についても、わたしたちが想像する以上に影響があるということを教えてくれます。
ちょっと話がそれちゃうので、それはまた別の記事でご紹介しますね。
斎藤一人さんって誰?エピジェネティクスとは関係ない大金持ちのお話はこちら
2. エピジェネティクス:遺伝子が変わる要因
2-1. 環境
環境によって遺伝子は変わります。
ミツバチの女王蜂と働き蜂は、同じ親から生まれた、同じ遺伝子を持ったハチです。
女王蜂は胴体と足が働き蜂より長くほっそりしていて、腹部も毛むくじゃらではなくてなめらか。
そして、針を一度使ったら死んでしまう働き蜂と違って何度でも使える針があります。
さらに、不妊のまま数週間で死んでしまう働き蜂と違い女王蜂は何年も生き、1日に数千個の卵を産むことができます。
この違いは、女王蜂がローヤルゼリーを食べ続けることによってDnmt3という遺伝子がオフになることで生まれます。
実験では化学物質を使ってこの遺伝子をオフにするとすべての幼虫が女王蜂になり、オンにすると幼虫はすべて働き蜂になりました。
つまり、ミツバチを働き蜂にする遺伝子を抑制する働きがローヤルゼリーにはあるのですね。
2-2. 食べるもの
食べるものも環境の一部かもしれませんが、やはり身体に取り入れるものによって遺伝子は変わります。
【ほうれん草で遺伝子が変わる】
オレゴン州立大学の研究者は、ほうれん草を食べる多くの人にエピジェネティックな変化が生まれることを発見しました。
その変化とは、調理肉の発がん性物質がもたらす遺伝的突然変異と闘ううえで、細胞を助けるということです。
ほうれん草の葉にはベタインという化合物が多く含まれています。
ベタインは自然界や農地で、水不足、高い塩分濃度、極端な気温などの環境的ストレスと闘う植物を助けています。
一方人間の体内では、ベタインは遺伝子コードに影響を与える一連の科学的連鎖反応の一部である「メチル基供与体」として働きます。
実際の研究では、動物実験でほうれん草を与えることによって結腸腫瘍の発生率を半分に抑え込むことに成功しています。
【食べるもので行動が変わった子供】
足の痛みで受診した10歳の少年リチャードは、遺伝子検査をするとOTC欠損症でした。
見た目にはとても健康な彼なので、やる気のない医師なら「成長痛」と診断してしまい、真実が判明することはありませんでした。
OTC欠損症のある人はタンパク質が高い食品をうまく代謝できないので、低タンパク質の食事を維持する必要があります。
そうしないと、血液中のアンモニア濃度が上がり、震え、発作、昏睡といった症状をもたらすのです。
リチャードの足の痛みも、アンモニアという毒素のせいでした。
食事療法を厳密におこなうことで、リチャードの足の痛みはなくなりました。
そして、学校で問題になっていたリチャードの多動、集中力のなさなども劇的に改善されました。
リチャードの場合、アンモニア濃度の上昇は注意力の欠如や闘争的な性格という症状として現れていたのです。
世の中には、リチャードのOTC欠損症のように遺伝子検査をおこなわないとわからない病気を持った子どもたちがたくさんいるはずです。
落ち着きがない、乱暴というレッテルを貼られている子どもたちの中には、食べるものを変えるだけでそうした行動がおさまるタイプの子どもも多く存在する可能性は高いでしょう。
足の痛みくらいで遺伝子検査を受けられる子どもは世界中の数%にも満たないのではないでしょうか。
2-3. 思考
思考もまた、遺伝子を変えることができます。
遺伝子研究の第一人者、筑波大学名誉教授の村上和雄先生は心と遺伝子は密接につながっていると述べています。
村上先生は「心と遺伝子研究会」という財団で、糖尿病についての研究を進めています。
そもそも病気というのは大きなストレスが加わると悪くなるものなのだそうです。
糖尿病もやはり、悪いストレスによって血糖値が上がります。
ならば、良いストレスが血糖値を下げてくれるのではないか…?
こう考えた村上先生は、03年に糖尿病患者25名を対象にした「笑い」の実験を、2日間にわたって行ないました。
1日目は昼食後に、医学部の助教授による「糖尿病のメカニズム」についての講義を行ないました。
専門家でもない患者さんにとっては、退屈で面白くもない話だったことでしょう。
次の日は一転、昼食後に吉本興業「B&B」のお二人に漫才を実演していただき、患者さんには大いに笑ってもらいました。
そして、1日目の食前と講義後、同じく2日目も食前と漫才観賞後との血糖値の差を調べたところ、1日目は平均して血糖値が123㎎も上がったのに対し、2日目は77㎎しか上がらなかったのです。
この結果は、村上先生の予想をはるかに超える結果でした。
眠っている良い遺伝子を「笑い」によってON状態にすることで、インシュリン注射や食事制限に頼らずとも、血糖値を下げることができる、という証明になったのです。
「笑い」が免疫力を上げるという実験は様々な形でおこなわれていて、その効果は一般の人でも知っていますよね。
免疫力が上がるのは、眠っていた良い遺伝子をオンにするかららしいのです。
村上先生は、医師として研究者として遺伝子の研究をしてきた方ですから、科学的に考える方です。
ところが、スピリチュアルな考え方の「サムシンググレイト」の存在を信じています。
60兆の細胞一個一個のDNAに30億もの暗号を書き込むなんて、人間自身にできるわけがない。すると、目には見えない、自然の力のなせる技で行なわれたことである、としか説明の仕様がないのです。
スピリチュアルなイメージのある「祈り」についても、村上先生は研究されています。
3. エピジェネティクス:遺伝子の不思議な話
3-1. 遺伝子は同じでも形が変わる植物
遺伝子は変わっていないのに、見た目はまったく違う状態になる植物があります。
キンポウゲ属の「ラナンキュラス・フラベラリス」は、アメリカとカナダ南部の森林湿地に多く生息します。
川岸に生えるこの植物は、川が氾濫すると、なんと葉の形を変えてしまうのだそうです。
普段は丸みを帯びている葉ですが、川が氾濫すると細い糸状の葉になり、水の表面に浮かんで生きのびるのです。
そしてまた、水が引くと丸みを帯びた葉に戻ります。
1章でご紹介したように、遺伝子は同じでも、どの遺伝子を発現させるかというスイッチを切り替えることで環境に合わせた形になっているのですね。
3-2. 最初のクローン猫はオリジナルに似ていなかった
2001年、アメリカでクローン猫CC(カーボンコピー、クローンキャットの略)が誕生しました。
しかし、その猫は遺伝子を採取したオリジナル猫レインボーとは毛の柄も性格も違ったのだそうです。
これは、オリジナルの遺伝子からつくられた受精胚を代理出産した猫の毛の色に影響されたためと考えられます。
やはり遺伝子は環境などによって変わるということなのですね。
その後、アメリカの女性が5万ドルでGenetic Savings & Clone社に依頼し、2003年に死亡したニッキーという猫の遺伝子からリトルニッキーというクローン猫を誕生させました。
リトルニッキーは、ニッキーと見た目も性格も似ていました。
商業ベースで誕生したクローン猫なので、代理出産の猫も似たタイプの猫をつかったのかもしれませんね。
約20年前の当時は、自分が可愛がっていたペットのクローンを欲しがる人が増えるはずだと予測してこのような研究に費用を出す会社や個人があったようですが、市場はとても小さく、最大手のバイオアーツ社も2009年に撤退しています。
わたしはラッキーという名前の雑種犬を飼っています。
まだ経験していませんが、ペットを失う悲しみは大きいと予想できます。
それでも、ラッキーと同じ形で同じ性格の犬をもう一度飼いたいとは思わないんじゃないかなと思います。
深い悲しみに沈んでしまうであろうそのときになってみないとわかりませんが…。
フランダースの犬みたいに、ラッキーと一緒に死ねたらいちばんいいなと真剣に思っています (´u_u`)
どれだけラッキーが可愛いか(親ばか全開)見てみたい方はこちらで(リンク)
3-3. 体質も遺伝子が決めている
よく「遺伝だから太りやすい」とか「目が悪いのは遺伝だから」とかいいますよね。
親からもらった遺伝子によって体質も決まります。
そしてそれは、環境に応じていることも多く、その土地で生きていきやすいためともいえるようです。
運動神経や頭の良さ、身長などの見た目などを両親からの遺伝と考えるとあきらめてしまうことも多いかもしれません。
でも、先ほど「遺伝子のスイッチを切り替えることができる」というお話をしましたよね。
両親ともさほど背が高くないのに子どもは高身長になったり、肥満の両親にスラリとした体形の子どもがいたりする例を、あなたも身近なところで目にしているのではないでしょうか。
食べるものを含めた環境などによって、遺伝子のスイッチが切り替わっているのかもしれません。
思考も遺伝子のスイッチを切り替える要因となるのなら、まだ研究が進んでいなくて解明されていないとしても
暗くてドロドロした嫌なことを考えて過ごすより
明るくて前向きな、良いことを考えて過ごした方がいいなと思います。
思考の力で自分の遺伝子が変わり、できることが変わり、さらに思考が変わってもっとできることが増えて…と思うと、楽しいですよね!
サイコパスも遺伝子が関係しているという記事を書きました
3-4. お笑いの傾向は遺伝するか
エピジェネティクスについて研究しているティム・スペクターさんは、まったく同じ遺伝子を持つ一卵性の双子を対象に様々な研究をしています。
彼女の書いた「双子の遺伝子」という本は、わたしにとっては難しい話も多くて飛ばしてしまうところもあったのですが(笑)、お笑いの傾向が遺伝するかどうかという部分は興味深く読みました。
なぜかというと、わたしと息子は彼が小さな頃から
ほんっと~に、悲しくなるくらい、腹が立つくらい
趣味が違って、一緒に楽しめることってほとんどないのです。
だから、一緒にでかけても
「僕はここで〇〇してるから、好きに見てきていいよ~」
という感じで、一緒にぶらぶらするということはなく
ものすごく空気のいい高原へ旅行したときも
ホテルにつくられていたものすごく素敵な散歩道を歩こうと誘ったら
「僕は体育館でバスケしてるから!!」
と言い出す始末。
「すごくいい空気なのに!小鳥も鳴いてるのに!木々や小川、自然が素晴らしくきれいなのに!季節を感じられるのに!厄が落ちるのに!ここでしか味わえないのに!」
というわたしの言い分は聞いてくれるのですが
「目的は楽しむことでしょう?僕が散歩についていって、退屈そうにしていたりしたら母さん、嫌な気持ちになるでしょう?」
と説得され、なるほどなあ、そうだよなあ…
と、わたしひとりで散歩に出るという感じでした。
エピジェネティクスではなくリアクタンスが強い息子についてはこちら
ところが、わたしと息子はお笑いだけは同じ芸人さんが好きだし、DVDを借りて見ると同じところで一緒に笑うのです。
すごく趣味が違うのに、お笑いの好みは同じ…。
わたしの中では密かに
「お笑いだけは、濃く遺伝するのでは?」
という仮説を立てていたのです(検証も研究もしていませんが・笑)!
ティム・スペクターさんの本の結果がまた面白くて、
「お笑いについては正しく調べることが困難で、遺伝しているかどうかわからない」
という結果でした。
4. エピジェネティクスとスピリチュアル
今回は「ミラーニューロン」の記事以来、難しい本を読んで書いた記事になりました。
(何度も寝落ちしてしまい、理解するのにも記事を書くのにも時間がかかりました・笑!)
エピジェネティクス同様、寝落ちしながら書いたミラーニューロンの記事はこちら
小説に出てきたエピジェネティクスという言葉の意味がわからなくて調べたことがきっかけでしたが、わたしがいつも考えていた
科学が解明されていくと、スピリチュアルにつながる
ということを、多くの科学者たちも考えているのだなあと思って嬉しくなりました。
心理カウンセラーの大嶋信頼さんのことを書かせていただきましたが、大島さんは患者さんの症状に応じて、本人が特定の遺伝子を唱えることで病状が改善された例をいくつも見ています。
たくさんの人の心に接する仕事をしていると、心と体の関係もわかってくるのだろうなと思います。
遺伝子が変えられるのなら
なりたい自分になれるのかもしれませんよね!!
わたしも良い遺伝子をオンにしていきたいです。
笑うといいみたいだから、
とりあえずお笑いのDVDでも借りて帰ろうかな!
長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
また別の記事でお目にかかりましょう。