こんにちは!キャリアコンサルタントの金子めぐみです。
前回の「コンピテンシー」に続き、意味の分からないカタカナシリーズ^^
今回は「レジリエンス」についてのお話です。
こちらも「コンピテンシー」同様、
「なんじゃそりゃ」といいたくなる覚えにくさ(わたしだけ?)ですが、知れば知るほど
女性にはぜひ高めておいて欲しい力
であり、
わたしなりの解釈では
たぶん女性の方が男性より最初から持ってる力
なんじゃないかなあと思います^^
いつも通り、難しい解説はなしにしますから、
どうか気楽に読みすすめてくださいね。
それでは、レジリエンスを高めてしなやかに生きる女性になる世界へまいりましょう!
もくじ
1. レジリエンスの意味
1-1. 元は工学・物理学用語だった「レジリエンス」とは
「レジリエンス」という言葉は、もともと工学・物理学用語でした。
こちらはすでに一般的な言葉になっている「ストレス」も同じように物理学の言葉だったのです。
レジリエンスを高めるのに役立つストレス対処法はこちらの記事
物体に力を加えると、
ゆがんだりたわんだりへこんだり(早口言葉?)
します。
このとき加えている力が
ストレス
です。
そのストレスを加えることをやめたとき、
ゆがんだりたわんだりへこんだりした状態を元に戻す力が
レジリエンス
ということなんですね。
1-2. 心理学でのレジリエンス
これからお話していくレジリエンスの意味は、人が生きていく上で高めた方がいいよね、っていう、
心理学的レジリエンス(psychological resilience)
です。
先ほどの物理的な説明が、人の心で起きていると考えてください。
精神的にストレスを受け、
へこんだり泣いたり、心に傷を負ったり……
それでも人は、どうにか立ち直って生きていきます。
その、立ち直る力が
心理学的レジリエンス
です。
「回復力」「復活力」「再起力」「弾力」「跳ね返り」「復元力」などと訳されますが、
レジリエンスの研究の第一人者カレン・ライビッチさんは心理学的レジリエンスを
逆境から素早く立ち直り、成長する能力
と定義しています。
(おまけの情報)
わたしはモノ知らずなので心理学を学びはじめるまで耳にしたこともなかったですが、
アメリカ心理学会の会長でポジティブ心理学の提唱者、心理学者マーティン・セリグマン博士の名前を耳にしたことがある方は多いようです。
セリグマン博士は犬をつかった(やめて~ひどいよ~)「学習性無力感」の研究、うつ病の世界的権威でもありますが、一般向けの著書も多いことから知名度が高いのだとか(わたしは知らなかったです・恥)。
そのセリグマン博士が「最も経験を積んでいるトレーナーである」と認める、ポジティブ心理学においても世界トップクラスのトレーナーが、カレン・ライビッチさんという女性です。
彼女は米国陸軍4万人に対してレジリエンスを高める指導をおこなって効果を上げてきたレジリエンスの専門家で、アンドリューシャテーと共著で「レジリエンスの教科書: 逆境をはね返す世界最強トレーニング」という本も出版しています。
……そろそろ退屈してきましたよね(わたしだけ?)
金子さんレベルの話じゃ満足できないから、もっと詳しく知りたい!!
という人のために、いちおう情報としてご紹介しました^^
興味のある方は「ポジティブ心理学」で調べてみてくださいね!!
レジリエンス/ポジティブ心理学・セリグマン博士のTEDはこちら(日本語訳あります^^)
1-3. レジリエンスが低いとどうなるのか
レジリエンスが低いと、心の傷が治りにくいのでその人の人生全般に影響を与えてしまいます。
レジリエンスという概念の発端は、ホロコーストのために孤児になり心に傷を負った人たちの追跡調査でした。
(ホロコーストって?ナチス・ドイツによるユダヤ人の大虐殺行為だそうです。普通の人は知ってるのかな、わたしは知らなかった・恥)
同じように心に傷を負い、同じような環境で育てられても
・トラウマから立ち直り、仕事を得て幸福に暮らしている人
・過去の闇をひきずり、生きる気力を持てず不幸になっている人
がいることが、追跡調査でわかったのです。
レジリエンスが低いと、「どうせ無駄」「やっても無理」みたいな気持ちになってしまって、努力することすらしなくなってしまうのですね。
さっき(おまけの情報)でちらりと触れた
セリグマン博士の犬をつかった「学習性無力感」の研究
が関係しています、興味のある方は「セリグマンの犬」で調べてね^^
(犬をつかうな~!といいたいですけど)
2. レジリエンスを高めるには
2-1. レジリエンスは習得可能な能力
レジリエンスは、トレーニングによって習得可能な能力です。
先ほどちらりとご紹介したカレン・ライビッチさんは、戦争を体験する可能性がある米陸軍の兵士たちにレジリエンストレーニングプログラムを実施し、効果を上げてきました。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)という言葉を聞いたことがあるかと思います(わたしもうっすら聞いたことがある気がします)が、戦争などによって命の危機を体験するような強いストレスがかかると、人の心は(犬の心もですよ、セリグマンさん!)立ち直れないことがあります。
レジリエンスを高めるトレーニングをしておくことで、このPTSDを予防できるというのですね。
今から約一年前に、死に直面するような病気をしてしまったわたしは、自分の心の動きがそれまでとはとても違うことに気づいていますし、一緒に暮らしている息子は大迷惑しています(本人はそういいませんが・笑)。
改めて、人の心って不思議だなあと思いますし、こうしたことを研究してくれるすごい方たちに感謝せずにはいられません(犬をつかわなかったらもっといいのに、セリグマン博士…)。
日ごろから自分を大切にしたいものですね
2-2. レジリエンスを高める7つの技術
認知行動療法やポジティブ心理学などの実証研究によって、レジリエンスを高めるために7つの技術があると考えられています。
1. ネガティブ感情の悪循環から脱出する
2. 役に立たない「思い込み」をてなずける
3. 「やればできる!」という自信を科学的に身につける
4. 自分の「強み」を活かす
5. こころの支えとなる「サポーター」をつくる
6. 「感謝」のポジティブ感情を高める
7. 痛い体験から意味を学ぶ
この7つの技術をつかう段階、ステージとしては3つに分けられています。
上の図の3つのステージごとに、
7つの技術をつかってレジリエンスを高めていくことができます。
【1】 ネガティブ感情に対処する
精神的な落ち込みを底打ちさせて、逆境に立ち向かうための折り返し地点にするために、7つの技術のうち1.と2.をつかいます。
自分の「思い込み」を把握し、考え方の癖を断ち切るためにできる気晴らしなどの行動を決めて実践します。ネガティブな考えの堂々巡りをやめるためにできることを実行します。
わたしの場合は、どんなときでも間違いなく泣ける曲(英語なのでYouTubeの訳詞を見ながら)で、まずは泣きます!!
以前、大失恋の際、風船のお仕事でお世話になっている音楽好きの経営者さん(遠方に住んでおられるので普段顔を合わせることもない方です)にメールで泣き言を書いてしまったら、なんという神対応、その方がエルビスプレスリーの動画サイトを教えてくださり、これがまた、最愛の父を早くに亡くしたわたしには刺さる歌詞だったのです。
経験してみてわかったのですが、気が済むまで泣くと、ひどい感情も必ず底打ちするのですね。感謝してもしきれないくらい、この動画には何度もお世話になっています。
わたしがレジリエンスを高めるために必須の動画(特に好きな訳詞)はこちら(リンク)
この記事を書くために動画見ちゃったら、べつに落ち込んでいないのにやっぱり泣いちゃいました・笑。
ということは、曲や歌詞によってやはり自然と泣くモードになることができ、落ち込みを底打ちすることができるのかもしれません。
ネガティブ思考を断ち切る方法はこちら
あなたも、自分はこれなら泣ける!っていう曲や、本や映画などをみつけておくといいと思います^^
【2】 レジリエンス・マッスルを鍛える
落ち込みから這い上がり、できる限り早くもとの自分に戻るために、7つの技術のうち3.から6.をつかいます。
「やればできる!」という気持ちを「自己効力感」といい、自己効力感を高める方法はバンデューラさんという人が提唱しています。
レジリエンスを高めるために必要な自己効力感を身につける方法はこちら
自分の強みを活かすためには、自分としっかり向き合う時間を取るといいですね。
レジリエンスを高めるために自分と向き合う方法ならこちら
心の支えとなる「サポーター」をつくるためにも、自分と向き合う時間を取って自分には何が支えになるかをみつけることが有効です。
レジリエンス・マッスルが鍛えられるワンオクロックの曲はこちら(リンク)
おまけ!こちらのワンオク「Yes I am」は歌詞が読めるからもっとレジリエンス高められるかな(リンク)
感謝のポジティブ感情を高めるためには、過去に経験した「感謝せずにはいられない」ことを思い出すのもいいですし、
こちらの記事で書いたように「ハッピーノート」をつくっておくこともおすすめです^^
レジリエンスを高めるのに役立つ「ハッピーノート」についてはこちら(リンク)
【3】 逆境体験を教訓化する
ここまで経験したステージ【1】【2】を振り返って、その経験から得たものや意味をしっかり自分で考えるのが、技術の7.です。
わたしの場合はあまりにも無能なのに自営業を起業してしまったこともあり、レジリエンスのことをまるで知らなかった頃から何度も
落ち込んだときには⇒泣きまくって底打ちして⇒どうにか這い上がる
をくり返してきました。
「逆境体験を教訓化する」というほどそれについて振り返ったり考えたりはしなかったけれど、なんどもへこんだことで「まあ、なんとかなるよね」とは思えるようになりました。きっと、こうした技術を知ってスキルとして身につけていたら、もっと早く立ち直ることができたのだろうなあと思います。
人生がいっぱい残っている若い方は身につけて損のないスキルだと思います^^
どんなお仕事をしていても、あるいはお仕事じゃなくても、
嫌なこと、泣きたいこと、へこむこと、落ち込むこと……
ってありますよね。
その度に長い間立ちあがれなかったら、なんだか人生を無駄遣いしちゃいそうです。
自分をできる限り把握して、落ち込んだときに底打ちする術をみつけておいたり、落ち込みから回復しやすいのはどういうときか自分のことを理解したりすることで、打たれ強くなれそうですよね。
すでに人生でこれ以上必要ないくらい打たれちゃってるわたしは、今みたいに打たれ強くなれて、よかった。幸せです。
傷つくんじゃないかと思ってやりたいことも、やりたい仕事にチャレンジすることもできない人生より、やってみて立ち直る方法を身につけて、まあ、たいていのことはどうにかなるでしょう、と思える人生になってよかったです。
もし、これを読んでくださっているあなたが、
・自分は周囲の環境に恵まれてない
・なんだかうまくいかないことが多い
・人生って不平等だと思う
なんて感じていたら、どうか、自分の未来をあきらめたりなげやりになったりせずに、
それは「逆にラッキー!!」と思ってくださいね^^
知らず知らずのうちにあなたの
レジリエンス・マッスル
は鍛えられてむっきむきのマッチョですから
恐がらずに好きな仕事にむけて
一歩を踏み出せる日がくるからです。
信じられない体脂肪率を誇るわたしは、
体中のどこにも筋肉なんてないと思っていましたけど
レジリエンス・マッスルだけは
いつの間にか鍛えていたのね~と
ちょっと嬉しくなりました♡
嫉妬も落ち込みの原因のひとつだったなぁ
2-3. レジリエンスを高める6つの能力
たった今、レジリエンスを高めるための技術をご紹介しましたが、レジリエンスにはスキルだけでなくマインドや行動力など様々な能力が関係しています。
その能力を6つにわけると下記のようになるようです。
【自己の気付き】
自己の思考、感情、行動、生理的反応に注意を払う能力【自己のコントロール】
望ましい結果を得られるよう、自分の思考、感情、行動、生理的状態を変化させられる能力【現実的楽観性】
ポジティブなことに気付き、期待し、自力でコントロールできるものにフォーカスし、目的を持った行動を起こせる能力【精神的柔軟性】
状況を多角的に見て、想像的かつ柔軟に考えられる能力【キャラクター・ストレングス】
最高の強みを活用して、自分の能力を最大限発揮し、困難に打ち勝ち、自分の価値観にあった人生を想像する能力【関係性の力】
強い信頼関係を気付き、維持する能力自分のキャラクター・ストレングスを知りたいなら
3. わたしが考える女性に必要なレジリエンス
3-1. 人間関係レジリエンス
女性にとって、人間関係のいろ~んなことから立ち直るためのレジリエンスってすごく必要。
わたしは友達ってそんなに必要としない性格ですけれども、女性って集団で楽しむタイプの人が多いように感じますし、結婚したら夫の家族とのつきあい、出産したらママ友とのつきあいと、人間関係だらけの中で生きている気がしませんか?
先ほどご紹介した2章で、わたしなりにできる限りわかりやすく、レジリエンスの高め方をご紹介しました。
わたしは、自分でも知らないうちに立ち直るための行動って儀式化しているものなんだなあ……と感心しました。
だから、ご紹介した方法はわたし自身経験していてオススメできるものです。
へ~、なるほどね~
って情報を得ておしまい、
じゃなくて、何か落ち込むことがあったときには思い出して、
まずは落ち込んだ感情を底打ちする!!
って、用意しておいた泣ける曲(や本や映画や何か)に頼れるように、
準備しておいてほしいなぁ。
いざという時のため、先延ばしせず準備しましょう
スピリチュアル的にいっても、落ち込んだままの波動って低いはずですからきっと、良くないことを引き寄せちゃいますものね。
人間関係のレジリエンス、上げておきましょうよ!
3-2. お仕事レジリエンス
お仕事で落ち込んだ時にもやはり、レジリエンスを高めておくと立ち直りが早くなり、次のお仕事トラブルを避けることができると思います。
お仕事ではクリティカルに思考できると安心
お仕事のトラブルっていろいろな種類があると思いますし、人間関係もかかわっていると思います。
ブラック企業で頑張っちゃうことだけは避けたいものですが、ごく普通の会社なら、落ち込みを上手にコントロールするうちにお仕事のレジリエンス・マッスルが鍛えられて、昇進昇級があったり充実感満足感などを得ることにつながるかもしれませんよ。
日本の企業は実力だけでなく勤務歴の長さも評価する傾向があるようですから、上手に立ち直って長くお勤めしたほうがお得になることも多いのです。
ブラック企業で頑張っちゃうのはなぜか?
4. レジリエンスと幸福感
ストレスという力がかかっても、それに反発したりへこんだとしても元に戻ったりできる力、レジリエンス。
レジリエンスが高まれば、幸福感につつまれる時間も増えそうです。
自分の努力によって鍛えることもできるというのは嬉しいですね。
自分の努力で自己肯定感も高めましょう
わたしの場合は打たれまくって自然と鍛えられちゃっていたように感じますが、
今この記事を読んだあなたは準備もできるし、知識も得たのだから、
わたしのときよりもずうっと早く立ち直ることができるんじゃないかと思います。
どうか、そう信じて準備しておいてくださいね。
だって、不幸なことって
突然起きるから。
誰もが経験していることだけど、
そのときの衝撃って、すごいですよね。
早く立ち直りたいけど、
なにをしていいのかわからない~ <( ゚Д゚;)>
っていう最悪の状況になると、
自分のネガティブな思考の癖がでてきて、
人のせいにして誰かを恨んだり…
環境のせいにして誰かをうらやんだり…
やたらと腹が立って怒ったり…
いいことなんてなにも起こらないっていう状況を
さらに引き寄せてしまいます。
レジリエンスを高めるために嫉妬をやめたい方はこちら
自分の気持ちが落ち込んでいるときって
普段より感情のコントロールが難しくなると思います。
だからこそ、この記事の2章で具体的にご紹介した方法につかえる
落ち込みの底打ちのための音楽や映画や本など
心の支えになる音楽や映画や本など
自分が「これだ!」っていうものを、
心が元気なときに準備しておいてね。
レジリエンスを高めて怒らない人生をおくりたい方はこちらの記事を
今のわたしみたいに準備ができていれば、
いきなり衝撃的な不幸がきても、
よーし、悔しいし悲しいしやりきれないから、泣きますよ~!!
ってプレスリーの曲で泣いて、落ち込みの底打ちができますから、
あとはミスチルと昔のエグザイルとワンオクなどの
サポーターに助けてもらいながら
立ち直っていくことができます。
音楽に興味がない方は、他の方法を準備しておけばいいです。
みつを(呼び捨て?)の詩でも寅さんの映画でも
好きなアニメでもコスプレでもいいし、
スーパー温泉でもアロマでも、
ドライブしながら叫ぶでも、
なんでもいいです。
人にはそれぞれ環境があるから、
かけられるお金もちがうので、
ブランド物を買い漁る、とか
高級ホテルのいいお部屋に泊まる、とか
グランドピアノでクラシック音楽を弾きまくる、とかいうことが
できる人もいるかもしれないですね。
でも、お金があるっていいなあとか
自分はどうして恵まれた環境にいないんだろうとか
そんなこと考えてもいい方向へは向かわないですしね。
食費の節約を身につけることもレジリエンスにつながるとわかるお話はこちら
安心してくださいね、
今のあなたの環境でも、
ぜったいに大丈夫だから。
わたしなんかシングルマザーだったこともあって
カラオケ代すら捻出できなかったけど、
(お仕事は頑張ってちゃんと売り上げもあり納税もしていましたが、
お金は仕事を続けるために必要だと感じていたので
頼れる人のいないわたしは自分のためにつかうことができませんでした)
でも、それでも、
無料で見ることができる動画とか
車の中で聴くことができるCDとかで
ちゃんとレジリエンスを高めていけましたから。
自分をゆるして大切にしてあげてね
あなたも、
自分にできる範囲で最高の方法を
落ち込んでいないときに準備しておくといいですよ。
不幸でいる時間をできるだけ短くするために
レジリエンスを高めて
幸せな時間を増やしていきましょうね^^
できますよ、どんな環境でも。
長い記事を読んでいただき、ありがとうございました!!
また別の記事でおめにかかりましょう。