こんにちは!
キャリアコンサルタントの
金子めぐみです。
今回は
メンタライゼーション
についてのお話です。
最初に変換したときに
面たらいゼーション
となってしまうほど
一般的に馴染みのない言葉
ですが
心理学らへんでは
(どこらへん?笑)
近年注目されている言葉のようです。
すごく簡単にいいますと
人の心を思うこと
になります。
他者の気持ちを想像する
ということだから
日本語にすると
共感
に近いかな?
と最初のうちは
思いましたが
学んでいくと
共感
というよりは
推察・推測・洞察
という感じかもしれない
と思いました。
また
メンタライゼーションは
他者の気持ちだけでなく
自分の気持ちを思う
ということも含まれるので
人は自分の気持ちのことも
意識して見ていかないと
わからないものなのだなぁ (´u_u`)
と理解できました。
メンタライゼーション
ができるようになると(能力が高まると)
人間関係が良好になり
自分に対するお悩みも減るようです。
さあそれではメンタライゼーションをアップして人の心と心の豊かなつながりのある世界へまいりましょう!
もくじ
1. メンタライゼーションとは
1-1. メンタライゼーションの意味
メンタライゼーション(mentalization)という英語は驚いたことに、Google翻訳先生には翻訳できませんでした。
mental
から派生した
心理学の専門用語
なのかもしれません。
メンタライゼーションは
と定義されています。
メンタライゼーション
という言葉は
精神分析家のフォナギー(Jon G. Fonagy)さん
が1991年の論文で初めて
公式に用いたようです。
Mentalizing in clinical practice.
Allen, Jon G. Fonagy, Peter Bateman, Anthony W.
https://psycnet.apa.org/record/2008-02574-000
下記は出典が記載されている
ウィキペディアからの抜粋です
メンタライゼーションには愛着理論や自己発達論からの影響が見られる。Peter Fonagyによると、(身体的虐待、心理的虐待、性虐待などの影響によって)混乱した愛着スタイルを持つ個人は、メンタライズする能力を育むのが困難となる。個人の愛着の遍歴は、その人がどの程度のメンタライジング能力を有するかということを部分的にであれ決定する。
wiki
1-2. メンタライジング能力
メンタルから派生した用語には、同じ意味を持つものがあります。メンタライゼーションとほぼ同意で用いられる言葉のひとつがメンタライジング能力です。
メンタライゼーション
を
メンタライジングする
とか
メンタライジング能力
というふうに
言うこともあるよ (b゚ェ゚o)
ってことですね^^
1-3. メンタライズ
メンタライズ(mentalize)もメンタライゼーション同様、Google翻訳先生には翻訳できず「メンタライズする」と日本語訳されましたので、専門用語かと思われます。
メンタライズ
は
メンタル
の動詞形かなと思います。
(わたしがアメリカ人だったのは前世なのでよくわからないです・笑)
2. 幼児の成長とメンタライゼーション
2-1. 誤信念のテスト
幼児の心の成長を見ると、メンタライゼーションは育まれるものだということがわかります。
他者が自分とは異なる信念(誤信念)
を持っている
ということがわかるようになるのは
3歳~5歳くらいのようです。
そのことを調べるために
幼児を対象に
指人形やアニメーションなどで
よく用いられるテストとして
サリーとアンの課題
があります。
サリーが部屋に入ってきます。
サリーはビー玉をカゴに入れて
部屋を出ていきます。
今度はアンが部屋に入ってきます。
サリーがいない間にアンは
カゴの中のビー玉を取り出して
箱の中に入れて部屋を出ます。
サリーがビー玉を探すために
再び部屋に戻ったとき
どこを探すでしょうか?
まだ
他者の心を想像できない
幼児は
ビー玉は箱の中にあるから
サリーは箱の中を探す
と答えるのだそうです。
「社会脳に表現された自己と他者」五ー二 他者の心を想像する 参照
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tja/73/2/73_57/_pdf/-char/ja
人の心って
そういうふうに
成長するんですね (´∀`)
2-2. ASDとひきこもり
メンタライゼーションが育まれにくいタイプの人もいます。自閉スペクトラム症(ASD)という発達障害もそのひとつです。
幼児は成長に応じて
他者とのかかわりを深め
喜びなどの感情を
他者と共有することや
悲しみなどの感情に対して
同情心を持ってなぐさめたり
なぐさめられたりすることを
好むようになります。
ASD をもつ人は
自分の興味・関心や感情を
他者と共有しようとする動機付けが弱い
のだそうです。
そのため孤立しやすい傾向があり
不安障害の併存が多いことも知られています。
『空気を読む』といわれるような
他者の意図や会話を理解することが苦手なので
社会に出ることに対して
漠然とした違和感や不適応感があり、
対人不安や被害的解釈につながりやすい
ことが予測されるということですね。
人とかかわるということに不安があると
ひきこもりになりやすい
のは当然だと思います。
「社会的ひきこもりと自閉症スペクトラム障害」近藤直司 参照
https://www.jstage.jst.go.jp/article/japanacademyofas/10/1/10_37/_pdf
3. 母親と赤ちゃんのメンタライゼーション
3-1. 最初の交流
生後間もない赤ちゃんと母親の交流はメンタライゼーションといえます。
まだ言葉が話せず
泣くことしかできない赤ちゃん。
お腹が空いてるの?
おむつが濡れてるのかな?
だっこして欲しいの?
お母さんは
赤ちゃんが泣かないで済むように
一生懸命対処しようとします。
その心の動き(機能)を
メンタライゼーションといい
お母さんが
赤ちゃんのニーズを汲み取りたいと
理解しようとしている行為を
メンタライジングといいます。
赤ちゃんの様子に関心を寄せて
心を動かすことが
メンタライジングなのですね!
もちろん母親だけではなく
周囲の人たちとのこうした交流で
メンタライゼーションは育まれ
赤ちゃんの心は成長していきます。
赤ちゃんといるときのママの脳には出てるよ^^
3-2. 幼少期の親子関係
メンタライゼーションの第一人者といわれるフォナギー(Jon G. Fonagy)さんは、幼少期の親子関係によってメンタライゼーションを健全に獲得することができない場合があるとしています。
身体的虐待
心理的虐待
生虐待
ネグレクト
このような環境で育つと
相手を思いやる習慣がつかない
だけでなく
自分のことも大切にできない
人になってしまうのだとか。
苦手になるだけじゃなくて
自分を思いやることができない
というのは悲しいですね
4. メンタライゼーショントレーニング
4-1. 「MBT」(Mentalization Based Treatment)
メンタライゼーションのトレーニングについて調べてみると、キャリアカウンセリングとの共通点がいろいろとみつかりました。
「MBT」(Mentalization Based Treatment)は
愛着障害や境界性パーソナリティ障害の治療
として使用されていました。
米国の「アンナ フロイト センター」が
セラピスト向けの臨床マニュアルや
指導者になるためのコースなどを提供していて
日本では
が2017年9月に発足しています。
メンタライゼーショントレーニングで
カウンセラーやセラピストが使用する
基本的なテクニックは4つです。
- サポートと共感
共感的な発言は、MBT の重要な基盤である信頼関係と治療関係を強化します (Bateman & Fonagy、2006)。
セラピストは、変化を引き出すために、サポートを提供し、クライアントに自主性を与え、慎重に褒めることができなければなりません。共感とサポートはどのような治療法にも不可欠ですが、MBT では特に重要です。共感とサポートは、クライアントとセラピストの間に新しく健全な絆を生み出します。これは、MBT の基礎となる愛着理論に不可欠です。
- 明確化
MBT では、セラピストは、一連の行動とそれに関連する感情を詳細に把握するために、明確にし、詳しく説明する必要があります。この明確化は、クライアントが行動と感情を結び付けるのに役立ちます (Bateman & Fonagy、2006)。
明確化には、クライアントに対して繰り返しの説明と、クライアントが明確に答えられる質問をすることが含まれます。
- 探索
探索により、クライアントは思考、感情、動機に対する好奇心を育むことができます (Bateman & Fonagy、2006)。
これは、クライアントがセラピストの視点を共有し、同じ出来事の別の経験を検討するのに役立つテクニックでもあります。探索は、クライアントが対人関係スキルに取り組む機会を提供します。
- 挑戦的
クライアントに挑戦することは、クライアントの視点と対峙することによって、クライアントの根底にある感情状態を探る手法です (Bateman & Fonagy、2006)。このテクニックは、クライアントを葛藤に追い込むことと、別の信念を受け入れてもらうことのバランスをとることです。
- 転移
転移は、患者の感情を分析するためにセラピストに向けるために MBT でよく使用されます (Allen et al., 2003)。
転移は治療においてマイナスに見られることが多いですが、意図的に使用すると多くの利点が得られます。これは、患者が自分の感情や他人の感じたことに反応する前に考えるのに役立ちます。
こちらのサイトから引用しました(グーグルが翻訳)
https://positivepsychology.com/mentalization-based-therapy/#home
【カウンセリング用語としての「転移」について】
過去に重要な他者との間で生じさせた感情、欲求、葛藤、対人関係パターンなどを、別の者に対して向ける非現実的態度を転移と呼びます。
精神分析では、発達の初期における重要な人物への態度がクライエントの基本的態度であると考えます。
幼児期に、知らず知らずの間に身につけてしまっているのでクライエント本人は無意識のうちに問題のある対人関係パターンを繰り返しています。
過去の重要な他者というのは、母親であることが多いですが、そうでない場合もあります。
また、クライエントに「知りたくない」という気持ちがあると「転移」を探ることは時間がかかる困難なことになります。
また、フロイトが確立した精神分析では、過去に重要な他者との間で生じさせた感情、欲求、葛藤などを、クライエントが無意識のうちにセラピストに対して示すことを「転移」といいます。
愛情や依存の欲求を示すものを「陽性転移」といい、敵意や攻撃の欲求を向けられるものを「陰性転移」といいます。
あなたは人間関係において
同じようなパターンの問題行動
を起こしていませんか?
一例を挙げましょう^^
幸子さんは恋人と深い関係になると、なぜか自分から別れを告げてしまうというパターンを繰り返しています。
彼女の幼少期、夫婦喧嘩が原因で母親が実家に帰ってしまったという経験がありました。
数日間のことでしたが母親の不在に幸子さんはとても不安な気持ちになったのですね。
恋人が大切な人になり、それをある日突然失うという経験をしたくないために、幸子さんは自分から相手を振ってしまうということを繰り返してしまうようです。
4-2. キャリアカウンセリングとの共通点
お仕事は人との関係性によって充実感や満足感が違います。いくら報酬が良くても、ひどい人間関係の中での仕事はつらいものになるはずです。
キャリアカウンセラーは
心理カウンセラーではないので
クライエントの心を治療するような
セラピー的なことはしません。
セラピーについてわかるのがこちら^^
けれど
いつも同じパターンで仕事を辞めてしまう
というクライエントがいれば
その原因を探ることはします。
どうしてその問題行動をとってしまうのか
その理由がわかれば
対処方法もみつかるからです。
先ほど『転移』の説明では
事例として
幸子さんの恋愛
を挙げましたが
お仕事の場面でも
人間関係はとても重要です。
自分一人では
どうしてまた同じパターンで
辞めてしまったのだろう
(辞めたくなるのだろう)
という堂々巡りになってしまうことも
キャリアカウンセリングを受けることで
他人と一緒に自分の心を探ってみる
という
メンタライジング
ができると思います。
このタイプの人は信じられないでしょう!笑
5. メンタライゼーションは愛の能力
メンタライゼーションは
相手の心や自分の心を
思いやる能力なんですね。
久しぶりに
心理学系のお勉強をして
サイトのブログ記事を書いたら
なんだか
堅苦しくなってしまいました。
赤ちゃんに対するお母さん
のメンタライジングや
赤ちゃんが幼児になって
心も成長していくことなど
メンタライゼーションって
愛によって育まれるのね ヾ(*´▽`*)ノ
という印象を
わたしは持ちました^^
わたしに
人間関係のパターンはあるかな?
と自分と向き合って
過去の経験を探ったところ
・・・あったんです ( ´д`ll)
無力感が襲ってきて
どうでもよくなっちゃう (´ρ`)
っていう経験が
大きなことから小さなことまで
よく起きています。
その原因は
過去に重要な他者との間で生じさせた葛藤
まあつまりわたしの場合は
幼少期から大人になるまでずっと経験してきた
母親に対しては
何を言っても無駄 (´・д・`)
ということだと思います。
自分の意見を主張すべき場面でも
相手があきらかに
悪意を持ってそうしていると
わかっていても
話し合うような気力は沸いてこなくて
単純にそして必死に
その人との距離を取りたい (´v_v`)
(今すぐ縁を切りたい)
と願います。
そのために多少の不利益なら
被ってもかまわないとすら
思います。
(そして実際にそうなります)
母親と縁を切れるなら
どんな代償でも支払う (ノ_・。)
という
強い気持ちが
葛藤があったのですね。
よしよし。
あなたにもきっと
いろいろな
過去に重要な他者との間で生じさせた葛藤
があるんじゃないかな。
つらかったね。
よしよし。
でもわたし
お父さんには愛されていたから
すごくそれを感じていたから
メンタライゼーションはきっと
それほど低くならなかったのかも。
わたしは残りの人生で
まだまだ
メンタライゼーションをアップして
愛にあふれた人間関係を
求め続けようと思います (*’ヮ’*)
長い記事を読んでいただきありがとうございました!!
また別の記事でお目にかかりましょう。